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パドレスのキムは代理人をボラスに変更。今オフにFAの遊撃手は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハソン・キム(サンディエゴ・パドレス)Apr 30, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 FAとなる今オフに向け、ハソン・キム(サンディエゴ・パドレス)は、代理人を変更したようだ。

 サンディエゴ・トリビューンのケビン・エイシーが、キムはエージェンシーをボラス・コーポレーションにした、と報じている。それまで、キムのエージェンシーは、ISE(インディペンデント・スポーツ&エンターテインメント)だった。

 2020年のオフにポスティング・システムを利用し、キムがパドレスと交わした4年2800万ドル(2021~24年)の契約には、2025年の相互オプションがついている。その年俸は1000万ドル、解約金は200万ドルだ。

 パドレスは、オプションを行使する、あるいはしたいと思っているだろうが、キムがオプションを破棄することは、代理人が誰であろうと、まず間違いない。

 キムは、8月中旬に右肩を痛め、復帰できないまま手術を受ける。これは、懸念材料になり得る。だが、昨シーズンと違い、今シーズンは、ザンダー・ボガーツが遊撃から二塁に移り、キムは二塁から遊撃に戻った。この入れ替わりからも窺えるように、キムの守備は優れている。

 また、昨シーズンは、出塁率.351と17本塁打を記録した。今シーズンは、出塁率.330と11本塁打ながら、四球率は2シーズンともほぼ同じ。12.0%と12.3%だ。ホームランは減ったものの、打数は昨シーズンより130以上も少ない。年齢は、まだ20代。今月中旬に29歳の誕生日を迎える。

 しかも、今オフのFA市場は、遊撃手の層が薄い。ウィリー・アダメス(ミルウォーキー・ブルワーズ)を除くと、キム以上の遊撃手は見当たらない、と言っても過言ではない気がする。

 アダメスとキム以外は、ポール・デヨング(カンザスシティ・ロイヤルズ)、ホゼ・イグレシアス(ニューヨーク・メッツ)、アーメッド・ロザリオ(シンシナティ・レッズ)、ケビン・ニューマン(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、ニック・アーメド(パドレス)……といったところだ。いずれも、遊撃のレギュラーよりも、ユーティリティが適任だろう。

 ミゲル・ロハス(ロサンゼルス・ドジャース)は、ドジャースに年俸500万ドル(解約金100万ドル)の球団オプションを行使される可能性が高い。この年俸は、今シーズンと同額だ。

 なお、ワイルドカード・シリーズにおけるパドレスの内野カルテットは、2試合とも、一塁がドノバン・ソラーノ、二塁がジェイク・クローネンワース、遊撃がボガーツ、三塁はマニー・マチャドだった。ルイス・アライズは、DHとして出場している。アライズについては、こちらで書いた。

「アライズの「3年連続首位打者」は歴代何番目の長さなのか。ジャッジと大谷の三冠王を阻む」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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