なぜHSPは「不安症」になりやすい?理由と不安の現れ方について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
不安が強い時は、何ごとも手につかなくなりイライラしたり焦りを感じたりしやすくなります。
特に対処しなければ、ますますストレス負荷がかかり、「不安症」などの心の病を発症するリスクが高くなります。
不安はイヤなものですが、不安を感じるのには原因があり、現れ方にもそれぞれ特徴があります。
HSPさんの場合は、気質や思考から普通の人よりも不安を抱きやすい傾向があるため、ストレスを感じやすく注意が必要です。
今回はHSPさんの立場で不安症を予防するために、不安を感じやすい要因と、不安の現れ方の特徴について考えてみたいと思います。
HSPさんはどうして不安になりやすいのか?
HSPさんの多くは、日ごろから不安を感じやすいと言われています。
なぜなら、他人の感情や環境変化による刺激を受けやすく、普通の人よりも何ごとに対しても「自分ごと」として受け止める感受性が高いからではないでしょうか。
しかし、不安が強すぎるとストレスになったり、行動する気力を失ったりするためHSP気質と上手に付き合っていくことが求められます。
また、不安感情の裏には「本当はこうなりたい」「こうしたい」という願望がある場合もあるのでは?
HSPさんの場合は、自分よりも他人を優先してしまう傾向が強いので、自分の思うようにいかないからこそ不安が沸き起こってくるのではないかと考えられます。
つまり不安は、「本来の願望」を気づかせてくれるためのサインとも受け取れます。
強い不安を感じたら、何に対して不安を感じているのか?探ってみましょう。
そして、裏にある本来の願望に気づき、その願望をかなえるためにできることはないか考えることで、不安と上手く付き合っていくことができるのではないでしょうか。
不安はいろいろな形で現れる?
不安はさまざまな形で現れることがあります。
不安を明確に自覚することもあれば、自分では気づかない内にとらわれてしまっている場合もあるため、知らず知らずの内に不安症を発症するリスクが高まっていることも…。
ここでは、どのような形で不安が現れるのか?いくつか具体例をあげて解説したいと思います。
・身体症状として現れる場合
人見知りの人の中には、人と対面した時に「ドキドキする」「赤面する」「震える」などの身体に何らかの症状が表れる人がいます。
不安を感じる要因の一つには、人からどう見られているか気になるということがあげられます。
「変に思われているのではないだろうか…」「赤面している自分をどう思っているのだろう?」と思えば思うほど不安感情は高まってしまう一方に…。
こうした身体症状は危険を察知したという体からのメッセージとも言え、本人にはどうすることもできません。
また、これらの身体反応を抑え込もうとすればするほど、かえって強くなる性質があります。
・態度として現れる場合
何ごとに対しても消極的になったり、あるいは回避するようになったりします。
たとえば、人に会うのがイヤだから外出をしない、おっくうで必要な作業を後回しにしてしまうなどがあげられます。
心理としては「周りに受け入れてもらえないのでは…」「何をしても失敗するのでは…」といった不安を抱えています。
また一方で不安のあまり、常にイライラと神経質になって、周りを攻撃してしまう人もいます。
いずれの場合も、不安なあまり必死に安心を得ようとしているだけだと言えますが、場合によっては人間関係を壊してしまうといったことも起こり得ます。
・何度も確認行為を繰り返す場合
たとえば、家を出る時に戸締りをしたか気になり、何度も繰り返しドアや窓を確認したり、あるいはきちんと汚れを落とせたかが心配になり何回も手を洗ったりしてしまうといったケースがあげられます。
これらの確認行為は不安を抑えるために行っていますが、何度確認しても不安が完全に消えることはないため、確認行為を止められなくなります。
その結果、時間がかかり過ぎて遅刻をしたり、手を洗いすぎて肌がカサカサになってしまったりと、日常生活に支障をきたすようになります。
このように不安は現れ方によって、その人の行動や態度、健康状態にまで影響を及ぼすことがあります。
自覚症状を放置していると、不安症になるリスクが高まる可能性がありますので、早期に医療機関で相談することが望ましいと言えるでしょう。
まとめ
今回はHSPさんの視点で不安を感じやすい要因と、不安の現れ方について考えてみました。
不安の現れ方としては、他にも不安を予期する不安、つまり「予期不安」を感じて行動に制限が出てしまう方もいます。
もし今、自分が不安に支配されていると感じている場合は、どのタイプに該当するか参考にしてみて下さいね。
くれぐれも放置せず、早めに医療機関を受診し、つらい症状を医師に伝えるようにしましょう。
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