【限局性学習症(SLD)】知能は低くないのに勉強ができない【保育士ママが漫画でわかりやすく解説】
こんにちは。発達と育児のお悩みサポーター『夢 カナエ』です。
わたしは、保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。
今日は、前回ご紹介した発達障害の代表的な4つの症状から、限局性学習症(SLD)についてお話しします。
↓YouTubeでも解説動画を配信しています。
特定の領域だけが苦手
SLDの人の全般的な知能は正常範囲にあります。
視力や聴力にも支障がありません。
家庭や学校などの学習環境や、本人の学習意欲にも問題がありません。
それにも関わらず『文章を読む』『文字を書く』『計算する』などの、特定の領域だけに支障が見られます。
SLDはIQ(知能指数)が高い人に起こることもあります。
イラストを交えながら、詳しく見ていきましょう。
1.読むことが難しい(読字不全)
『読字不全』とは、文章を読むのが極端に遅かったり、うまく言葉を発音できない状態をいいます。
・文字がにじんで見える
・ぼやける
・鏡文字に見える
・点描画のように見える
これらの『視覚情報処理不全』が起こると、読字に大変な困難が生じます。
2.書くことが難しい(書字表出不全)
『書字表出不全』とは、文字を書くことに困難がある状態をいいます。
・文字の大きさが均一でない
・罫線やマス目に沿って書けない
・字に余分な点や線を入れる
・鏡文字で書く
などの状態が見られることがあります。
句読点の入れ忘れや、文法の誤りが多い場合もあります。
3.計算が難しい(算数不全)
『算数不全』は、基本的な数の概念が理解できない状態をいいます。
・数字の大小が分からない
・数を数えられない
・簡単な計算ができない
などの症状が現れます。
図表やグラフから数値の変化を読み取ることができず、単なる模様や絵に見えてしまうこともあります。
まとめ
SLDの人が、文章をうまく読めなかったり、文字を間違えて書いたり、簡単な計算もできないのは、決してその人が勉強を怠けているせいではありません。
怠けているどころか、周りについていくために、超人的な努力をしている人もいます。
周りの人は、できないことをからかったり、叱ったりせず、あたたかく見守り、必要なサポートをすることが大切です。
教育や生活の環境を整えることで、特定の苦手な領域以外の本来の能力を発揮し、生きづらさを軽減できることもあります。
具体的な対応方法については、回を改めて解説したいと思います。