【10人に1人は発達障害!?】専門家の指摘は本当か【代表的な4つの症状】を保育士ママがイラストで紹介
こんにちは。発達と育児のお悩みサポーター『夢カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭資格と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の母親でもあります。
令和2年の日本学術会議臨床医学委員会で、「発達障害は10人に1人の健康問題である」と提起されました。
そうだとすれば『クラスに数人は発達障害の子がいる』ということになるのでしょうか?
発達障害の4つの代表的な症状をイラストで見ながら、考えてみましょう。
↓YouTubeでも解説動画をご覧いただけます。
注意欠如多動症(ADHD)
ADHDの人は、年齢に比べて注意力が足りなかったり、順序だてて行動することが苦手です。
落ち着きがない、待てない、行動の抑制が苦手といった特徴があり、それらの特性により、日常生活に困難を抱えています。
有病率は、DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル 2021年)では、世界的に児童の約7.2%、成人の2.5%とされています。
アメリカ疾病管理予防センターの報告(2011年)では、ADHDと診断された4~17歳の子どもが11.0%(男児13.2%/女児5.6%)とされています。
自閉スペクトラム症(ASD)
ASDの人は、言葉や視線・表情・身振りなどから、相手が考えていることを読み取ったり、自分の思っていることを伝えたりすることが苦手です。
特定のことに強い興味や関心を持っていたり、マイルールや強いこだわりがあります。
感覚の過敏さを持ち合わせている場合もあります。
弘前大学の調査では、日本におけるASDの有病率は3.22%(2020年)とされました。
米国疾病管理予防センターは、44人に1人(2.27%)の子どもが8歳までにASDと診断されていると報告しています(2018年)。
現局性学習症(SLD)
知的発達全般に遅れがないにもかかわらず、勉強に関わる能力(聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する等)に、特に苦手なものがあります。
例えば、教科書は読めるのに黒板をノートに写すのはとても苦手、数字の大小が分からない、文章をスムーズに読めないといった状況です。
過去には、LD(学習障害)と呼ばれていました。
2012年の小中学校教師を対象とした全国調査によると、学習面に著しい困難を示す児童生徒は4.5%存在するとされています。
発達性協調運動症(DCD)
身体機能に問題がないにもかかわらず、手足の動きなど体の動きをコントロールして行う協調運動に困難さが見られます。
例えばハサミを使う、ボタンを留める、紐を結ぶことなどがうまく出来ません。
周りからは「とっても不器用な人」「極端に運動が苦手な子」「姿勢が悪い」などと見られることがあります。
DSM-5-TR(2021年)によれば、DCDの発生頻度は子どもの約5~8%とされています。
まとめ
4つの代表的な神経発達症の症状について紹介しました。
あなたの周りの人や、あなた自身にも思い当たる点はあったでしょうか。
各種の研究・調査の結果を見ると、発達障害が10人に1人の問題というのは、決して大げさな表現ではないことがわかります。
次回以降に、それぞれの症状の実例などを、イラストを交えて、もう少し詳しく解説していきたいと思います。