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村上宗隆は「最も大差の本塁打王」と「最も大差の打点王」になるのか。山川穂高もホームランは2位と大差

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆 August 7, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 セ・リーグの打撃三冠は、いずれも、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)がトップに立っている。8月28日を終え、打率.340、49本塁打、120打点。各部門の2位は、打率.323の大島洋平(中日ドラゴンズ)、24本塁打の岡本和真(読売ジャイアンツ)と丸佳浩(読売)、75打点の大山悠輔(阪神タイガース)だ。

 首位打者はさておき、村上の本塁打王と打点王は、まず間違いないだろう。ここから、ホームランをまったく打たず、打点も挙げなかった場合でも、両タイトルを獲得する可能性は極めて高い。村上は、2位に25本塁打と45打点の差をつけている。どの球団も、残りは32試合以下だ。

 2位との差が20本以上の本塁打王は、過去に2人。2011年の中村剛也(埼玉西武ライオンズ)と1966年の王貞治がそうだ。どちらも48本のホームランを打ち、それぞれ、2位に23本と22本の差をつけた。村上は、今シーズンが終わった時に、その差が24本以上であれば、史上最も大差の本塁打王となる。23本差でも、2011年の中村とタイだ。

 2位に40打点以上の差をつけた打点王は、1999年のロバート・ローズしかいない。153打点は、ロベルト・ペタジーニより41打点多かった。現時点の村上と大山の差は、ローズとペタジーニを上回る。

筆者作成
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 ちなみに、2001年のタフィー・ローズと2002年のアレックス・カブレラは、どちらも当時のシーズン最多に並ぶ55本塁打――現在は歴代2位タイ――を記録したが、2位との差は一桁にとどまった。2001年のパ・リーグ2位は49本塁打のカブレラ、2002年のパ・リーグ2位は46本塁打のローズだ。また、1950年に小鶴誠が記録した161打点は、現在もシーズン最多だが、この年のセ・リーグで2番目に多かった藤村富美男とは、球史に残るほどの大差ではなかった。15打点差だ。藤村の146打点は、シーズン記録の歴代4位タイ。当時は、小鶴に次ぐ歴代2位だった。現在、歴代9位タイの西沢道夫(135打点)と歴代11位タイの青田昇(134打点)も、記録したのは1950年のセ・リーグだ。

 なお、今シーズンは、山川穂高(埼玉西武)も、リーグで最も多くのホームランを打ち、最多の打点を挙げている。37本塁打と80打点は、どちらも2位の浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)と、17本差と12打点差だ。山川の場合、打点王はまだわからないが、こちらも、本塁打王はほぼ確定。大差の本塁打王ランキングの歴代トップ10に入りそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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