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2018年は「史上4番目に暑い年」NASAとNOAAが発表

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
2018年地球表面温度の平年偏差 (出典元: NASA)

米国政府機関閉鎖で遅れていたNASAとNOAAによる2018年の地球温度の検証結果が、6日(水)ようやく公表されました。発表によると、2018年の地球の表面温度は産業革命前と比べ約1℃高く、史上4番目に高温の年となったようです。

昨年は4番目に暑い年

米国政府機関の閉鎖によって発表が遅れていた、NASA(アメリカ航空宇宙局)とNOAA(アメリカ海洋大気庁)による2018年の地球温度の検証結果が、6日(水)ようやく公表されました。

それによると昨年の地球の表面温度は1880年代と比べて約1℃高く、2016年、2017年、2015年に次いで観測史上4番目に高温の年となったとのことです。気温上昇の背景には、人為起源の二酸化炭素や温室効果ガスの増加が指摘されています。

至る所で暑かった2018年

地域別に昨年の暑さを振り返ってみましょう。

日本では埼玉県・熊谷市で41.1℃を観測し、国内最高気温の記録が更新されました。東日本では統計史上最も暑い夏となり、全国の熱中症患者の数も統計開始以来最多となったほどです。

一方、韓国・ホンチョンでは41.0℃まで気温が上がり、韓国の国内最高気温記録を塗り替えました。

アルジェリア・ウアルグラでは51.3℃まで気温が上昇し、アフリカ史上最高気温となる可能性も出ています。

またカナダ・オタワでは体感気温が観測史上最高の47℃に達し、イギリスでは42年ぶりの熱波によって、各地で最高気温の記録が更新されました。

さらに南半球のニュージーランドでは観測史上最も暑い1年となり、オーストラリアも3番目に暑い年となりました。

地上気温に加えて海水温も高かったために、太平洋、インド洋、大西洋のすべての海域で例年を上回る規模の台風(サイクロン、ハリケーン含む)が発生する異例の年となりました。

南極に巨大な穴

近年特に気温上昇が顕著なのは極地方で、海氷の融解が深刻なスピードで進んでいます。つい先日も、南極のスウェイツ氷河の下にニューヨーク・マンハッタン島の3分の2の面積に匹敵する巨大な空洞が見つかったというニュースがありました。140億トンにも上る膨大な量の氷が、たった3年のうちに溶けてしまった可能性もあるようです。

WMO(世界気象機関)の事務総長は、気温上昇が異常気象を引き起こし、多くの国々や人々に被害を与えると危機感をあらわにしています。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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