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前年にサイ・ヤング賞の2人が同じチームに揃えば史上初!? コールを擁するヤンキースがスネルに興味

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブレイク・スネル Sep 19, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・ヤンキースは、山本由伸を手に入れることができなかった。山本は、ロサンゼルス・ドジャースと12年3億2500万ドルの契約を交わした。

 山本に代わる「プランB」として、ヤンキースは、FA市場に出ている2人の左投手のどちらかを、ローテーションに加えようとしているようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンとSNY(スポーツネット・ニューヨーク)のアンディ・マルティノは、どちらも、ブレイク・スネルジョーダン・モンゴメリーの名前を挙げている。

 スネルもモンゴメリーも、手に入れることができるとは限らないが、スネルがヤンキースに入団すると、2024年のローテーションには、前年のサイ・ヤング賞投手が2人揃う。ゲリット・コールとスネルだ。

 1989年にサイ・ヤング賞を受賞したブレット・セイバーヘイゲンマーク・デービスは、翌年、どちらもカンザスシティ・ロイヤルズで投げた。1989年のオフにサンディエゴ・パドレスからFAになったデービスは、ロイヤルズと4年1300万ドルの契約を交わした。

 デービスと同じく、スネルも、パドレスからFA市場に出た。2人とも、左投手だ。もっとも、スネルと違い、デービスはリリーバーだった。サイ・ヤング賞を受賞した1989年は、70登板で92.2イニングを投げ、防御率1.85を記録し、44セーブを挙げた。

 見落としがなければ、サイ・ヤング賞の翌年に同じチームのローテーションで投げた2人はいない。コールとスネルは、史上初のデュオとなるかもしれない。

 一方、モンゴメリーがヤンキースと契約を交わすと、こちらは2度目の在籍だ。10年前のドラフトで、モンゴメリーは、ヤンキースから4巡目・全体122位指名を受けてプロ入りした。2017年にメジャーデビューし、2022年の夏にトレードでセントルイス・カーディナルスへ放出されるまで、ヤンキースにいた。2023年は、夏にカーディナルスからテキサス・レンジャーズへ移り、ワールドシリーズ優勝メンバーとなった。

 コールがヤンキースに加わったのは2019年のオフだ。コールとモンゴメリーは、2020年から2022年の夏まで、同じローテーションに並んでいた。

 なお、デービスは、パドレスからロイヤルズへ移った1990年に、53登板の68.2イニングで防御率5.11、6セーブに終わった。シーズン序盤にセーブ失敗が相次ぎ、クローザーの役割から外された。ちなみに、デービスに代わってクローザーを務めたジェフ・モンゴメリーは、同じラストネームながら、ジョーダンとは無関係だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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