Yahoo!ニュース

HSPと微笑みうつ病の『性格』の『共通点』予防のために嫌な仕事を引き受けると…

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

私は普段、精神科での外来を行い、インスタやvoicyにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)

微笑みうつ病は「人に弱さを見せることが苦手な人」や「無理をして頑張る人」、「完璧を求める人」に多くみられます。微笑みうつ病は正式な病名ではありませんが、うつ病の方の一定数含まれているのです。

HSPの気質とも似ているため、病だと見極めることが非常に難しいとされています。

また、微笑みうつ病は本人にも自覚が無かったり、周囲も異変に気付けなかったりするため、知らず知らずの内に進行してしまうという恐ろしい特徴を持っています。

今回は、微笑みうつ病についての正しい理解を深めるとともに予防法について解説したいと思います。

HSPと微笑みうつ病の共通する性格

HSPと微笑みうつ病の大きな違いは、HSPは生まれ持っての「気質」であるのに対し、微笑みうつ病は病だということです。

HSPは治療で治すものではありませんが、微笑みうつ病は軽度から中度程度のうつ病に該当するため、医療機関での治療が必要です。

しかし、HSP気質が原因で微笑みうつ病を患ってしまうこともあるため、以下のような性格を自覚している人は、特に注意が必要です。

  • 自分に厳しい
  • 完璧主義
  • 弱音を吐かない
  • 責任感が強い
  • 几帳面
  • 気を遣いやすい
  • 生真面目

上記のようなタイプの方は柔軟なものの捉え方が苦手で、ストレスを抱え込みやすい傾向があります。

おそらくHSPの多くの方は、いくつか当てはまるものがあるのではないでしょうか。

生まれ持っての性格をすぐに直すことは難しいかと思いますが、少しずつでも融通をきかせた選択をするなど、自分自身にゆとりをもつようにしていけたら良いですね。


微笑みうつ病を予防するには?

うつ病の主な誘発要因はストレスが大きく影響していると言われています。

日常生活を送る上で気を付けていただきたいことは、ストレス過多にならないような工夫や自己調整が必要だと言えるでしょう。

主な予防法をいくつか紹介します。

適度な運動をする

軽いジョギングや散歩などの有酸素運動がオススメです。

また、午前中に適度な日光浴をすることもストレス解消効果につながります。

十分な睡眠をとる

不眠や寝つきが悪いなどの症状が続くとうつ病だけに限らず、糖尿病や高血圧、脂質異常症などといった生活習慣病を誘発する原因にもなります。

可能な限り、自身に適した睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めましょう。

とはいえ、睡眠障害を自力で克服することは難しい場合もあるので、つらい症状を抱えている場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてくださいね。

バランスの良い食事を心がける

食事はただ食べ物を摂取すれば良いというわけではありません。

一日三食を基本としながら「主食」「主菜」「副菜」「汁物」の栄養バランスを意識して摂取するように心がけましょう。

くれぐれもカロリーの取り過ぎにはご注意ください。

無理な仕事を引き受けない

特にHSPは頼まれたことを断るのが苦手なため、つい無理をして仕事を引き受けてしまいます。

嫌な顔一つせず、笑顔で引き受け、笑顔でこなしてしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、そうした負担が積み重なると、ストレス過多で心身ともに限界に達してしまうかもしれません。

また、無理な仕事を引き受け、できなかった場合は相手にも迷惑を掛けてしまいます。

そのようなことにならないよう、普段から自分のキャパシティを理解しておきましょう。

相談相手を持つ

HSP気質を持つ方の多くは、人に悩みを相談することをためらってしまうことがあるのではないでしょうか。

「つまらない話を聞かせて申し訳ない。」「自分のことで時間を使わせてしまうことが心苦しい。」などと、罪悪感を抱くこともあるかと思います。

相談する相手を選ぶ場合は、必ずしも自分の親しい人や近しい人に限る必要はないと考えます。

あなたのことをよく知る相手であれば、親身になるがあまり感情的になったり、割り切れない思いがふつふつと湧いてしまったりで、かえって心が苦しくなってしまうこともあるかもしれません。

そのような時は、行政が運営する心の相談窓口や医療機関でのカウンセリングを利用すれば、心苦しさが和らぐのではないかと思います。

自己洞察力を磨く

特に自分に厳しい人は、自己洞察力が低い傾向にあることがうかがえます。

自分の体調や精神状態を見極めることができなければ、心身のコンディションは悪くなる一方です。

これまでの自身の気質や経験を振り返り、正直な気持ちで自分と向き合うことができたら、ものの捉え方や感じ方も違った風に見えてくるのではないでしょうか。

自己洞察力を高めれば、自分自身のみならず、大切な人や自分の人生を大切にすることにもきっとつながります。

そのためには、いったん立ち止まり、これまでのことを振り返ってみてはいかがでしょうか。

そして自分に負荷をかけるのではなく、十分な休息を取るように心がけてみましょう。

まとめ

今回はHSPと微笑みうつ病の共通の性格についての理解と、微笑みうつ病を予防する方法についていくつか触れてみました。

責任感が強いことや、生真面目な所はHSPの長所であり、自信を持っていただきたいところではあるのですが、裏目にでると微笑みうつ病を患うきっかけになってしまいます。

何事もほどほどに、あまり堅苦しく考えない生き方ができれば良いですね。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?

「人の顔色ばかり気になり自分の意見を言えない」

「人の発する言葉や、雰囲気を察するあまりクタクタになってしまう」

「毎日の1人反省会がやめられず落ちこむ」

そんなあなたはこちらの記事を読んでみてくださいね↓

他人軸ではなく自分軸で気楽に生きる記事を読む(外部リンク)

あなたの気持ちが楽になりますように♪

精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

精神科医しょうの最近の記事