【年度内六冠ロード】藤井聡太竜王(20)棋王戦初のベスト8進出! 久保利明九段(47)に勝利
9月1日。大阪・関西将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯・挑戦者決定トーナメント3回戦▲藤井聡太竜王(20歳)-△久保利明九段(47歳)戦がおこなわれました。
10時に始まった対局は19時3分に終局。結果は83手で藤井竜王の勝ちとなりました。藤井竜王は本棋戦初のベスト8進出です。
藤井竜王は次戦、ベスト4進出をかけ、豊島将之九段-阿久津主税八段戦の勝者と対戦します。
藤井竜王は保持する5つのタイトルすべてを防衛し、棋王位まで獲得すれば、年度内に六冠まで達します。
藤井竜王の今年度成績は12勝4敗となりました。
藤井竜王、久保九段の四間飛車に勝利
振り駒の結果、先手は藤井竜王。久保九段は四間飛車に振りました。
藤井竜王は先日のA級2回戦、中飛車を採用した菅井竜也八段と対戦し、敗れています。振り飛車党との対戦が続くということで、少し気になっていた藤井ファンの方もおられたかもしれません。
本局、藤井竜王は居飛車穴熊に組もうとします。そこで久保九段が動いて、戦いとなりました。
藤井「(32手目)△4六歩から仕掛けられて。けっこうなんか・・・。こちらの対応もいろいろ考えられるのかな、と思ったんですけど。ちょっといい指し方がわからなくて。本譜はなんかあまり、よくない順を選んでしまったのかなと思います」
藤井竜王が駒得するのに対して、久保九段は藤井玉の急所を攻め、勝敗不明の終盤戦に入りました。
藤井「(56手目)△8五角打たれた局面はちょっと苦しくなってしまっていると思って。そうですね、そのあとは苦しいかなと思っていたんですけど」
久保「よくなった気がしたんですけど」「中盤の入りから終盤の入りあたりまではまずまず指せたかなと思ってやってたんですけど。ちょっと着地がよくわからなかったですね」
感想戦ではそのあたりが時間をかけて検討されました。
久保「いやあ、なんか・・・。なんかありそうっていう感じがずっと続くんですけど、そのなにかがよくわかんないですね」
そしてどうやら、久保九段の明快な勝ち筋は見つからなかったようです。
久保「大変ですね、やっぱり」
藤井「2手間違えたので、わるいと思いましたけど」(苦笑)
久保「いいとは思ったけど、なにをやっていいのか、わかりませんでした」
本譜、68手目。久保九段は歩頭に桂馬を打ちます。はっとするような一手。しかしそこを藤井竜王は正確に応対しました。藤井玉はきわどいながらも寄らない形です。
藤井「一応なんか本譜、進んで、△9九角に▲8九玉と引いた形で一手、耐えているのかな、と思いました」
最後は久保玉を即詰みに討ち取って、いつもながらの鮮やかなフィニッシュでした。
各棋戦で勝ちまくってきた藤井竜王。意外なことに、というべきか、棋王戦では初の本戦3回戦突破です。
藤井「ちょっと棋王戦ではこれまでなかなか上に進むことができていなかったので、この機会を活かせるようにがんばっていきたいと思います」
藤井竜王と久保九段の通算対戦成績は藤井4勝、久保3勝。藤井竜王が負け越しから追いついて、勝ち越しに転じました。