[訃報]ジャズ・ギターの近代化に多大な功績を残したジム・ホールさん逝去
現在入手できる音源で“ジャズ・ギター”を標榜するにもかかわらずジム・ホールさんの影響を受けていないというギタリストがいたら、それはジャズマン特有のビッグマウスか、本人の弁とは別にジャズ・ギターとは呼べないサウンドの思い違い野郎かーーそれほど偉大なギタリストなのです。
彼はジャズ・ギターのスタンダードを継承し発展させただけでなく、折々にジャズ・シーンにとってエポックな作品を残しました。
なかでも1962年に参加したビル・エヴァンス『アンダー・カレント』とソニー・ロリンズ『橋』はモダン・ジャズの象徴的な作品としていまだにその輝きを失わず、1975年のリーダー作『アランフェス協奏曲』はスムース・ジャズの先駆け的なコンセプションを盛り込んだフュージョン時代の傑作として歴史に刻まれています。
彼が古いスタイルを踏襲するだけの“名手”にとどまらなかったことは、後輩ギタリストたちが尊敬するギタリストの第一に彼をあげていることからもわかります。とくに現代ギターのトップに君臨するパット・メセニーやビル・フリゼールらは、熱望してジム・ホールとの共演アルバムを作ってしまったほど。
♪The Bridge/ Sonny Rollns & Jim Hall
♪My Funny Valentine Bill Evans & Jim Hall_1962 Undercurrent
♪Jim Hall_Concierto de Aranjuez
♪Pat Metheny & Jim Hall
ご冥福をお祈りいたします。