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4階級制覇の元王者が弁護士ファイターに判定勝ち

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Credit David Martin / DKP

 現地時間9日の夜、フロリダ州マイアミ・カジノで行われたウェルター級10回戦で、4階級制覇の元世界チャンピオン、エイドリアン・ブローナーが、ビル・ハッチンソンに大差判定勝ちして28カ月ぶりの再起を飾った。

 ハッチンソンは7年間負けなしのブルファイターだったが、100-90、99-91、99-91のスコアでブローナーの圧勝だった。

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 ハッチンソンは現役弁護士という異色のファイターであり、その頭脳が注目されたがボクシングIQの高さは示せなかった。だが、このような話題性のある男をリングに上げた91歳のドン・キングの手腕は、唸らざるを得ない。

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 キングは試合後に言った。

 「私たちはふざけている訳ではなく、ビジネスをするつもりだ。WBCがブローナーにタイトルマッチを用意してくれるんだ。そのベルトを獲得し、防衛し、更に世界タイトルを統一する。彼にはそれが出来るんだ。ブローナーは以前、4階級で世界王座に就いたが、これからピークが来る。再び栄光を手にするんだよ」

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 ブローナーも話した。

 「カムバックは自分が望んでいたものだったが、この試合は俺が必要としていたもの全てではない。ドン・キングのPPVに出場するのは初めてだった。アフリカ人だろうが、アメリカ人だろうが、ドミニカ人だろうが、誰でもキングのPPVで試合をすることは可能だ。今回はそれを弁護士が手に入れたんだ。

 肩書きのある人なら誰とでも戦いたいね。ローランド・ロメロ?ロリーだっけ?あいつでもいいし、テオフィモ・ロペスとジョシュ・テイラー戦の勝者でもいい。ベルトを持ってる奴が希望だな。タイトルは全部欲しい。ヴィトンやグッチのベルトだけでなく、WBA、WBC、WBO、IBFも欲しいね。

 キングの言葉通り、まずはWBCのベルトが欲しい。緑色でさ、実はワールド・ブローナーズ・チャンピオンシップの略なんだぜ(笑)」

 ドン・キングは、ブローナーを「最後の金のなる木」と感じているのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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