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インスタで急増中 ストーブ前はニャンコ様の特等席...もふもふの今どき温活事情

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:PantherMedia/イメージマート)

今週は、ぐっと冷え込むようです。

いまの時期、SNSでは、猫が高いところなどに登れるので暖かさを求めて多様な場所にいる写真や動画が盛んにアップされていますね。暖房をつけ忘れていたらトイレの便座にいた猫が話題になっていたりしています。今日は、今どきのもふもふの温活についてお話しします。

上記の動画は、ストーブをつけた途端にやってくる猫たちです。こんなに近づいても大丈夫なのかな、というぐらいの位置にいますね。飼い主がストーブを消すと、猫たちは、ストーブをつけてと催促しています。見ているだけで、微笑ましいですね。

猫や犬は、全身が被毛で覆われているので、そんなに寒がりなのか、不思議に思うほどです。例外として、寒い地方が原産の犬なら、グレート・ピレニーズ、セント・バーナードなど。猫ならノルウェージャン・フォレスト・キャットは、寒さに強く冬でも暖房をつけなくてもいいぐらいです。

それ以外の猫や犬は、飼い主が思っている以上に寒がりです。

なぜ、温活が必要か?

猫や犬に温活をしなくてもいいと思っていませんか?

家を出るときに、温活をしていないと病気になり、命に関わることもあるのです。その辺りを見ていきましょう。

・寒がりな子たちがいる

子猫子犬などは、体温調節が上手ではありません。幼い子たちは、そのため保育器があるのです。低体温にならないように、温活してあげましょう。

それ以外は、シニアの子は、若い子より寒がりになります。忘れてならないのは、チワワですね。原産地がメキシコなので、寒冷地仕様になっていないのです。他の犬種よりずいぶん寒がりです。私のところにくるチワワは、Tシャツを着て、その上にセーターを着て、またその上にコートを着てくる子もいます。 

・下部尿量疾患が増える

写真:PantherMedia/イメージマート

寒いと飲水量が減ったり、トレイに行かなかったりするので、オシッコが出にくい、出ない、血尿などの下部尿量疾患が増えます。これは、室温と関係があるので、一度、この病気になった子は、再発しやすいので、温活してあげてくださいね。

・免疫力が落ちる

寒いと低体温になることもあるので、免疫力が落ちて、病気になることが多いです。シニアの子は、特に気をつけてあげてください。猫や犬の体温は、38.5度ぐらいあり人より高いです。四肢の末端に触れてもらって、冷たく感じたら体温が下がっているかもしれません。

温活の仕方

いくら室内にいるからといっても暖房がないと室温は下がります。以下のように温活してあげてください。

・温度計をつける

写真:アフロ

猫や犬がいる部屋が実際にどれぐらいの温度かを知ることは大切です。部屋の温度は、実際に測定してください。エアコンで温度設定をしても、その通りになっていないこともありますから。

・エアコンをつける

写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

ガスストーブや石油ストーブに比べて安全ですね。一般的には、冬場は室温を20度ぐらいに設定しておいてくださいね。もちろん、部屋やその子によって違うので、その辺りは愛猫、愛犬を見てきめてください。

・服を着せる

写真:アフロ

服を着ても嫌がらず寒がりな子には、服もいいですね。被毛の上に着ても保温効果はあります。最近では、猫でも服が大丈夫な子もいます。

・寝床を冬仕様にする

写真:nozomin/イメージマート

寝床も冬仕様にしていただくと、温かくなります。いろいろな繊維が開発されていますので、ぬくぬくにしてあげてください。

・湯たんぽを置く

写真:アフロ

湯たんぽは、低温火傷にならないように、フリースなどを巻いてくださいね。湯たんぽがない場合は、しっかりしたペットボトルに、60度ぐらいの湯を入れて代用できます。この場合もフリースなどを巻いてください。

・飲み水をお湯にする

写真:IngramPublishing/イメージマート

猫は、FIV(いわゆる猫エイズ)やFeLV(猫白血病ウイルス感染症)を持っている子が多く、その子たちは口腔内のトラブルも多いです。飲み水が冷たいと飲むのをやめる子もいますので、飲みにくそうなときは、先回りして人肌に温めてくださいね。そうすると、飲水量が増えます。缶詰などのウェットフードも温めてあげてくださいね。

まとめ

猫や犬は、被毛で覆われていますが、温活をすることで、病気を防ぐことができるのです。そのことを知っていただくと、病気を防ぐことができますね。寒いと下部尿量疾患などになりやすいのです。室温は、その子にあった適温を工夫してあげてくださいね。

そして、何かと忙しい師走ですが、猫や犬の温活をしながら、飼い主もほっこり暮らしたいものです。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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