ヨーロッパに夏到来 22日のロンドンマラソンは史上最も暑くなる予想
追記(4/23):ロンドンの22日の気温は24.1℃まで上がり、史上最も暑いロンドンマラソンとなりました。
3月までは厳しい寒さに見舞われていたヨーロッパでしたが、4月に入ってからは夏のような天候が続いています。
19日(木)の最高気温は各地で平年を大幅に上回り、7~8月並みの陽気となったところもありました。おかげで、普段はまだ涼しいはずのイギリス北部でも、水着を着て海水浴を楽しんでいる人もいたほどでした。
19日に観測された最高気温は下記のとおりです。
イギリス・ロンドン 29.1℃(※4月としては70年ぶりの最高気温、平年比+16℃)
フランス・パリ郊外 28.3℃(※4月の最高気温, 平年比+12℃)
デンマーク・カーラップ 26.7℃(この時期に25℃を超えたのは1964年ぶり)
ドイツ・フランクフルト 29℃(平年比+14℃)
オーストリア・ウィーン 25.4℃(平年比+9℃)
スウェーデン・ストックホルム 17.9℃(平年比+8℃)
(↑左が3月、右が4月の平均気温との差)
暖かさをもたらす「ガスバーナー」
欧州の暖かさの原因は、アフリカから吹き込む南風です。この南風に乗って温風のみならず、サハラ砂漠からの砂も北上し、約5000キロも離れた北欧のノルウェーにも飛来したようです。一方、イギリスでは南に位置するフランスやスペインなどからの大気汚染物質の飛散も懸念されています。
この暖気の流入は「Blowtorch(ガスバーナー)」という別名でも呼ばれています。ガスバーナーの炎が勢いよく噴射するように、暖気が一挙にヨーロッパに流入しているということでしょう。
暑さのピークは過ぎたものの、季節外れの暖かな陽気は週末いっぱいまで続く見込みです。
史上最も暑いロンドンマラソンか
ところで16日(月)にアメリカで行われたボストンマラソンは、大雨・強風・低温のなかで開催され、「大会史上最悪の天候」ともいわれたほどでした。この悪条件の中で優勝した川内選手に、世界から称賛の声が上がっています。
一方、今週末22日(日)に予定されているロンドンマラソンの場合は、ボストンとは逆に「大会史上最も暑い」レースとなる可能性が高くなってきました。これまでの大会記録は1996年と2007年の22.2℃で、2007年には選手73人が熱中症などで病院に搬送され、5,000人以上が手当を受けたということです。
今年のロンドンマラソンの予想最高気温は22℃です。一般にマラソンに最適な気温は10℃くらいといわれていますし、この時期のロンドンの平均最高気温は13℃ですから、暑さに慣れていないランナーや、コスチュームを着て参加しようとしているランナーにとっては、特に厳しいコンディションとなることが予想されます。
(↑このところロンドンマラソンで、派手な衣装に身を包むランナーが急増しているようです)