2010年代ディケイド・ベストナイン。阿部、鳥谷、山田哲、丸、浅村、中村剛は受賞5度。最多得票は…
各リーグそれぞれのポジションにおける、2010年代のベストナイン受賞回数と得票総数を見ていくと、セ・リーグの捕手、二塁手、三塁手、パ・リーグの二塁手、三塁手、DHの6ポジションは、受賞回数が単独最多の選手が、得票総数でもトップに立つ。阿部慎之助、山田哲人、村田修一、浅村栄斗、中村剛也、アルフレド・デスパイネがそうだ。
1シーズンに各リーグ3人が選ばれる外野手も、受賞回数と得票総数のトップ3は同じ顔ぶれ。セ・リーグは丸佳浩、鈴木誠也、マット・マートン、パ・リーグは秋山翔吾、柳田悠岐、糸井嘉男が並ぶ。
また、両リーグの投手、パ・リーグの捕手、一塁手、遊撃手の5ポジションは、受賞回数のトップ・タイにいる選手の一人が、最も多くの票を得ている。例えば、前田健太の場合、セ・リーグの投手部門で受賞3度は菅野智之と並ぶが、731票は単独最多だ。菅野より25票多い。
ただ、残る2ポジション、セ・リーグの一塁手と遊撃手は、様相が異なる。一塁手の得票総数トップは、2度ずつ受賞しているトニ・ブランコとダヤン・ビシエドではなく、受賞1度の畠山和洋だ。遊撃手の得票総数も、受賞4度の坂本勇人が受賞5度の鳥谷敬を上回るだけでなく、300票近い差をつけている。このディケイドにおいて、坂本がどの年も票を得ているのに対し、鳥谷は2016年以降、遊撃手部門の得票はまったくない(2017年に三塁手部門で4票)。2人とも、2000年代にも1度ずつ、ベストナインに選ばれている。
なお、2010年代にベストナイン5度の選手は、阿部、山田哲、鳥谷、丸の他にも2人いる。二塁手として4度受賞の浅村は、その前に一塁手として受賞。中村剛の三塁手4度は、DHとして受賞の前後に2度ずつだ。また、中田翔は外野手(2度)と一塁手(2度)、大谷翔平は投手(2度)とDH、西岡剛は遊撃手と二塁手、李大浩は一塁手とDH、銀次は三塁手と一塁手として受賞している。
得票総数の全選手トップは、1295票の丸だ。他のリーグやポジションで得た票を合算しても、丸を上回る選手はいない。さらに、丸はMVP投票の合計2768ポイントも、このディケイドで最も多い。1年前に「2010年代の「ディケイドMVP」は誰? MVP合計ポイントのトップ3は、丸佳浩、柳田悠岐、山田哲人」で紹介した時点でトップに立っていて、今年、そこに306ポイントが加わった。MVPもベストナインと同じく、セ・リーグの投票総数はパ・リーグより多いが――今年は300票と254票――この点を考慮しても、丸の1位は動かない。