【杉並区】先着65本ハズレ無し!『研ぎ小屋キレット』の包丁おみくじは、3月17日「西荻・あさ市」にて
え、包丁研ぎの専門店?
西荻窪に包丁研ぎの専門店があって、昨年の秋に復活した『神明通り・あさ市』が開催される今度の第3日曜日に、開店3周年を記念したユニークな「おみくじ」を企画しているとの噂を耳にして、さっそく訪ねてみることにした。
JR西荻窪駅南口からバス通り沿いに神明通りに入り、住宅街方向に2分ほど歩くと「研ぎ小屋キレット東京本店」が小ぢんまりと佇んでいた。
店頭に”包丁研ぎ”の幟や看板が立っていなければ、おそらく素通りしてしまうかもしれない、そんな一般住宅のような趣きの店構えである。
包丁研ぎは、金物屋やホームセンターなどに託するものだとばかり思っていたのだが、専門店を生業としているのはなかなか珍しい。
個人経営の商店や飲食店が多い西荻窪の街ならではの多様性かな、と思いつつ、この3月にめでたく開店3周年を迎えた店主にいろいろと話を伺ってみた。
すると、何とも切れ味の鋭い驚きと発見が次々と登場する展開に・・・。
包丁研ぎをサービスからビジネスに昇華!
店主の伊勢真彦(いせ・まさひこ)さんの前職は、新聞販売店の経営者。長年に渡り、杉並区や練馬区で日本経済新聞を取り扱っていたそうだ。
世間の活字離れや新聞購読数が減り、事業環境が変化していく中、東日本大震災を機に新聞購読者サービスとして個人宅の庭木の剪定や網戸の張り替えなどを事業化。包丁研ぎもその中の一つだった。
「単身の高齢者からの依頼が多かったんです。庭木の剪定や草むしりなどを30分500円とかでね〜、いわゆる便利屋ですよ(笑)。ただ、網戸なんか一度張り替えてしまうと10年は持っちゃう。その点、包丁はどこの家庭にも何本か有るし、実際、包丁研ぎの依頼も多かったので、ビジネスとして成り立つかな?と思ったのが切っ掛けでしたね」
コロナ禍の影響もあって、伊勢さんは新聞販売店を2020年で廃業し、翌年3月に「研ぎ小屋キレット東京本店」をオープンさせる。
包丁研ぎは、最初にワークショップでプロの講師から基本を学び、あとは YouTubeなどを観ながら独学でスキルを磨いたと言う。
西荻窪の神明通りに店舗を構えた理由も、「包丁研ぎの需要がありそうな地域で、日中の人通りの多い所を」と新聞販売店時代の経験を活かして決めた。
開店に合わせ、大量のチラシを作って一軒一軒ポスティングしたのだが、これまた新聞販売店時代のノウハウが役に立ったそうだ。
ちなみに「研ぎ小屋キレット」は、世田谷区千歳船橋にもう一店舗、「研ぎ小屋キレット世田谷店」が存在する。
世田谷店店主の小原利正さんとは共に新聞販売店時代の経営仲間で、伊勢さんは、「たまたま西荻窪の開店のほうが早かったから本店としたんです」と照れ笑い。
今のところ二人だけの研ぎ師でそれぞれ頑張り、チェーン化やフランチャイズ化するつもりは無いのだと言う。
趣味も活かせる職場環境がいい!
伊勢さんの趣味は登山と写真撮影である。しかも「日本百名山」を制覇するのが目標だと言う本格派なのである。一眼レフカメラに関しても、名のある写真コンテストで入賞するなど、玄人はだしの腕前だ。
ちなみに店名に入っている”キレット”とは、山と山を繋ぐ尾根が深く切り落ちている場所を指す登山用語。一見すると外来語のようだが、漢字では「切戸」と書く列記とした日本語なのだ。
もちろん、包丁にあやかって”切レル”をかけている事は言うまでもない。
そのネーミングの通り、店内は山小屋風な雰囲気を漂わせ、大型液晶モニターには、伊勢さんが撮り溜めた山岳写真が映し出されている。
気になる包丁研ぎの値段だが、包丁の種類や刃渡りの長さなどによって様々。もちろん、包丁以外にもキッチン鋏や裁ち鋏、剪定鋏、鰹節削りの鉋も可能だ。
すべて手作業で、1本あたり最低でも30分はかけるという労力の対価としては安価に思えるのだが、いかがだろう。
ユニークなのは、レターパックによる郵送や宅配も行っている点だ。伊勢さん曰わく、
「包丁を持って電車とか乗りにくいですよね。お客さんのほとんどが西荻にお住まいの主婦層なんですが、遠方からわざわざお越しいただかなくても大丈夫なようにと思って・・・。ええ、飲食店やプロの料理人の方からも依頼がありますよ」
LINEやX、Instagramで写真を送っての見積もり・相談など、SNSによるサービスも事細やかに行っている。詳しくは店の公式ホームページで確認していただきたい。
店のオリジナル包丁も見逃せない!
種類は少ないものの、店内では厳選されたオリジナル包丁も販売している。包丁の相場に明るくはないのだが、スペックからして、おそらくお手頃価格だと思う。
4種類のタイプを揃える「燕(つばめ)」シリーズは、金属加工で世界的にも有名な新潟県の燕三条で培われた技術の粋を集めたオールステンレス包丁。
刀身には高級素材であるバナジウム鋼を使用し、鋭い切れ味と強固な耐性を兼ね備えつつも軽量で扱い易いと評判の逸品だそう。
万能包丁175mm(1万890円)、牛刀180mm (9900円)、菜切160mm (9900円)、ペティナイフ150mm(7425円)*税別
ユニークなサブスク包丁の展開も!
岐阜県関市製造のオリジナル三徳包丁170mm(6900円)とペティナイフ150mm(3900円)をセット割引で9900円で販売中(税別・数量限定)。
研ぎ直しが、それぞれ毎回半額になるというリーズナブルな特典付きだ。
伊勢さんによると、「包丁は2か月毎に研いだほうが切れ味が長持ちします。毎回半額ですから2年くらいで元が取れますよ」との事だった。
写真撮影の無料サービスや地域との交流も!
伊勢さんは、写真撮影の腕前を活かして店を訪れる利用者(2回以上が条件)のペットや人物の無料撮影サービスも行なっている。
西荻近辺に在住なら、ワンちゃんや子供との散歩がてらに覗いてみるのも楽しいはずだ。
壁の片隅には手紙の入った額が・・・。
「小学2年生が6人、社会見学ということで店に来た際に、包丁研ぎを実演して見せたんです。後で全員からお礼の手紙をもらいましてね、嬉しくて飾っています」と、伊勢さんは目を細める。
絆創膏とは切っても切れない仲!?
さらにカウンターの脇では、こんな絆創膏のディスプレイが目を引いた。一体これは何なのか、伊勢さんに尋ねてみると・・・
「仕事柄、どんなに注意していても指先を切ってしまうんです。あれこれ試してみましたが、どれもすぐに剥がれてしまう。そんな中でこの『ニッコーバン』が最強だと実感しましてね」
以来、作業台の下に『ニッコーバン』を常備するまでに至った伊勢さん。ある日、製造元である日廣薬品が世田谷区の下北沢にあると知って、居ても立っても居られずに表敬訪問してしまったのだそうだ。
コアなユーザーとして広報誌のインタビュー記事に掲載され、何と『ニッコーバン』エバンジェリスト(伝道師)としての名刺まで作ってもらったという顛末に!
『包丁おみくじ』で運試し。サブスク包丁のゲットはなるか!
3月17日(日)は『神明通り・あさ市』が開催される。「研ぎ小屋キレット東京本店」も復活以来、参加しているが、今回は3周年の記念イベントとして『包丁おみくじ』を実施する。
1回1000円(*1人1回限り)、先着65本でハズレ無し。末吉のペティナイフですら通常価格1650円(税別)とあって、お得感満載!
ちなみに大吉・中吉のオリジナル包丁は、研ぎ直し価格がは何度でも半額になるサブスク包丁。ぜひ、『あさ市』には早めに行って、無くなってしまう前におみくじを引いて欲しい。
「研ぎ小屋キレット東京本店」
住所:杉並区西荻南1−23−12
営業時間:10:00〜18:00
定休日;火曜日
電話:03−6770−0120
公式HP
今度の日曜日は『神明通り・あさ市』に出かけよう!
西荻窪の「神明通り」で第3日曜日に、昭和50年(1975年)から続けられてきた息の長いイベントが『神明通り・あさ市』。
すでに半世紀近くの歴史があり、コロナ禍以前に休止されたのは、台風が東京を直撃した時の1度だけだったというから驚きだ。
昨年の10月15日(日)にようやく復活を果たすことができ、今回は参加店も増えて、かつての賑わいを取り戻せそう。
春の陽気に誘われつつ、西荻窪散策を楽しんでみてはいかがだろう。
『神明通り・あさ市』
開催場所:神明通り商店街
開催日時:2024年3月17日(日) 9:00〜11:00(雨天決行)
住所:東京都杉並区西荻南2−24−15
主催・運営:西荻東銀座会
アクセス:JR中央・総武線西荻窪駅南口から徒歩で5分