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サンウルブズ松橋周平、「厳しい」と自覚も日本代表入りへ。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
取材対応後はすぐにジムワークを開始(著者撮影)。

 9月からのラグビーワールドカップ日本大会で日本代表としての出場を目指す松橋周平は、5月27日、スーパーラグビー(国際リーグ)の日本チームであるサンウルブズの練習で汗を流した(千葉・市原スポレクパーク)。多くの日本代表候補が6月からのキャンプを見据えるなか、目標達成に向けた決意を明かした。

 フォワード第3列を務める松橋は身長180センチ、体重99キロの25歳。明治大学からリコーに加わった2016年度に日本代表入りし、2017年はサンウルブズの一員として存在感をアピールした。

一時は怪我のため戦線離脱も、復帰した2018年は国内トップリーグで好パフォーマンスを維持。今季はスーパーラグビーやウルフパック(ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチのもと、スーパーラグビークラブの予備軍たちと強化試合を実施)の活動へ交互に参加していた。

 ウルフパックの最終戦は5月15日に終わり、サンウルブズにいる代表候補のうち5名は25日の試合後にチームを離脱。そんななかサンウルブズで実戦の機会を与えられた松橋は、何を思うか。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――サンウルブズへ戻ってきた。

「サンウルブズでやる機会を得られたので、僕的には、嬉しいです」

――高いレベルでやれるという意味か。

「そうですね。ワールドカップ(での日本代表メンバー入り)に向けて、現状を見た時に正直、厳しいというのはわかっていて。チャンスはあったのですけど、それを活かし切れてなかったというか、パフォーマンス的にも自分の納得のいっていない部分があって。ここ1週間はオフだったのでしっかり気持ちを作り直して、今回のサンウルブズ、試合でチャンスをもらえたら…や、(チャンスを)もらうためにも必死でやっていけたらと思っています。チームにフォーカスして」

――そのように気持ちを整理したプロセスは。

「色々とジェイミーと話す機会もあった。うまく自分を出せていない自分もいたので自分自身も悩んだ…というか、迷ってはいたんですけど、この1週間のオフのうち最初の2~3日はいったんラグビーを忘れてしっかりリフレッシュ。それがよかったのか、次の目標を作ることができた」

――ジェイミーさんとの「話す機会」は、ウルフパックのツアー終了時でしたか。

「そうですね、はい」

――具体的な注文があったのか。

「細かいところはまだ話せていないですが、自分自身に何が足りていないかはわかっている。自分の強みを出せていない。ボールキャリーとしては他の外国人に比べたら前に出られていないですし、ブレイクダウンでのジャッカルも強みだったけど出せていない。ディフェンスでもムラができていたりしたので。あとは、試合のなかでのいいプレー、悪いプレーが目立ったところがあった。そんな感じです」

――では、「次の目標」とは。

「本当に、現状が厳しいところにいるので、僕自身、怪我とか何が起こるかわからない世界で、どこかでチャンスが来るかもしれない。サンウルブズの試合に出た時にいいパフォーマンスを出すために、必要なことをする。出た時に最高のパフォーマンスをする。サンウルブズ自体の調子もよくないので、チームにコミットしながら自分のやるべきことにフォーカスして、パフォーマンスをしっかりしたいです」

――チームは序盤こそ強豪に勝利も現在は連敗中です。

「雰囲気的な部分では、少し、変わっちゃったなという部分があって。負け続けていると余計にそういうのが出てくる。チームとしてコネクトする必要があるかと思います。メンタリティの部分で。決していい準備ができていないわけではないと思うので、チームとしてもっといい方向へもっていかなきゃいけない。

 僕がどうこう言えることではないですが、もう一度、自分たちの強み(を出す)、相手がやってくること(への対応)、フォワードで言えばセットプレーでの仕事をしっかりやる。ここに突き詰めて、コネクションしていく。(主力選手の)怪我などもありますが、やることは変わらない。サンウルブズの、僕たちの、ゲームをするのが大事です。

 いつ何が起きるかわからない。どんなチャンスがどこに転がっているかわからない。いいプレーをして、逆に呼びたいと思わせるぐらいにしたい」

 サンウルブズは6月1日、東京・秩父宮ラグビー場でブランビーズと国内ホーム最終戦をおこなう。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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