あえて色んな平成ベストフィフティーンを作ってみた。【ラグビー雑記帳】
きょう4月30日は、多くの日本人が「平成最後の日」と認定する。特定の一族が時間を支配する概念自体には多様な見解があるのを前提とし、ふたつの「平成ベストフィフティーン」を編成する。
<平成日本代表ベストフィフティーン=★はキャプテン>
格上を倒した試合(1989年5月のスコットランド代表戦、2013年6月のウェールズ代表戦、2015年9月の南アフリカ代表戦=ワールドカップイングランド大会)時の主軸を中心に「現代のテストマッチで勝つための最強メンバー」を独断で編成。
1 稲垣啓太(突進力、タックルの精度、転んだあとすぐに起き上がる運動量)
2 堀江翔太(総合的なスキル、スクラム、ラインアウトを含めた各種プレーへの造詣の深さ)
3 畠山健介(ワークレート、ハンドリングスキル、コミュニケーション力)
4 大野均(激しさ、運動量、日本代表最多キャップ保持者)
5 トンプソン ルーク(ハンドリングの器用さ、空中戦の軸、タックル回数)
6 箕内拓郎(ピンチを防ぐバッキングアップ、懐の広さ、2003、07年のワールドカップでは2大会連続キャプテン)
7 リーチ マイケル★(攻守ともプレーの参加回数と効果が突出、ランニングスピード、冷静なレフリーとのコミュニケーション)
8 シナリ・ラトゥ(激しいタックル、問答無用の突破力、キックチャージ)
9 田中史朗(繊細なプレー選択でスペースを創出、大男へ果敢にタックル、日本人初のスーパーラグビープレーヤー)
10 平尾誠二(1989年のスコットランド代表戦ではインサイドセンターで先発、戦術眼、繊細なパス)
11 小野澤宏時(通称「うなぎステップ」で人垣をすり抜ける、球を持たぬ時の繊細かつ明確なコミュニケーション、思考の深さ)
12 立川理道(ゲインライン上の攻防で正確なプレー、危機察知能力、21世紀の大一番で重要な役割担った)
13 元木由記雄(ピンポイントのパス、絶妙なランニングコース、恐るべき体幹)
14 大畑大介(抜群のスピード、決定力、テストマッチ=代表戦最多トライ数記録保持者)
15 五郎丸歩(ゴールキック成功率、頑健さ、未曽有のラグビーブームの火付け役)
<日本ラグビー界平成ベストフィフティーン=★はキャプテン>
国内最高峰トップリーグが2003年に発足し、2016年には国際リーグのスーパーラグビーに日本のサンウルブズが参戦。数年来、この国のクラブで多くの国際的選手が活躍するようになった。下記は「日本のチームでプレーした国際的選手」のベストフィフティーン。
1 稲垣啓太(バックロー並みの運動量、鋭いタックル、状況を言語化する力)
2 堀江翔太(パナソニックで長らくキャプテン、激しさと上手さが共存、サンウルブズ初代キャプテン)
3 具智元(驚異のスクラム、現日本代表の主軸級、かつて本田技研鈴鹿でプレーした韓国代表の伝説的左プロップ・東春氏の次男)
4 ブラッド・ソーン(ニュージーランド代表として活躍、鉄人)
5 アンドリース・ベッカー(2メートル超で抜群のワークレート、クレーン車のようなチョークタックル)
6 ルーベン・ソーン★(激しさ、2003年のワールドカップではニュージーランド代表キャプテン、移動のバスから降りる際は皆の忘れ物をチェック)
7 ジョージ・スミス(元祖ジャッカル職人、抜群の嗅覚、レフリーとのつばぜり合いでも優勢)
8 リーチ マイケル(15歳で来日、母国ニュージーランドのチーフスとサイン、荒鷲の動き)
9 ジョージ・グレーガン(ゲームコントロール、世界最多キャップ保持者、準備の大切さ示した)
10 ダン・カーター(判断力の高さと視野の広さ、パスやキックの精度、ニュージーランドの伝説的選手)
11 リチャード・カフィ(ハードタックルと強烈なラン、所属の東芝ではキャプテンも務める)
12 マット・ギタウ(サイズの劣勢をワークレートとスキルと負けん気でカバー、オーストラリア代表103キャップ)
13 ジャック・フーリー(得点感覚、一撃必殺のタックル、守備範囲の広さ)
14 イアン・ウィリアムズ(驚異のスピード、弁護士資格あり、神戸製鋼の日本一掴んだ決勝トライは伝説に)
15 スティーブン・ラーカム(オーストラリアのラグビー史を代表するスタンドオフ、ランニングと戦術眼と勝負根性は日本でも発揮、若手の練習に真摯に付き合う)
ちなみに筆者が現職に就いたのは、平成18年にあたる2006年の11月。「歴史を知らないものが歴史を語るな」といった類のご批判および叱咤は、SNSで個別にお楽しみください。