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開幕戦で「出塁6度」は松井秀喜以来。「5打数5安打&2打点以上」はベーブ・ルースら3人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
フェリックス・バティスタ(左)とアドリー・ラッチマン Mar 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月30日、「2番・捕手」として開幕戦に出場したアドリー・ラッチマン(ボルティモア・オリオールズ)は、5打数5安打を記録し、4打点を挙げた。1打席目がホームラン(1打点)、2打席目が内野安打、3打席目が四球、4打席目がレフトへのヒット(2打点)、5打席目もレフトへのヒット(1打点)、6打席目は内野安打だ。

 ESPNスタッツ&インフォによると、開幕戦で、1試合に5打数5安打と2打点以上は、どちらも殿堂選手のベーブ・ルースビリー・ハーマンに続き、ラッチマンが3人目だという。

 ルースは、ニューヨーク・ヤンキース時代の1921年に、5打席で5打数5安打と2打点(長打は二塁打2本)。ハーマンは、シカゴ・カブス時代の1936年に、5打席で5打数5安打(長打はホームラン1本と二塁打3本)と3打点だ。

 ラッチマンの長打は、ホームランが1本なので、2人よりも少ないが、4打点は2人を凌ぐ。また、ルースのフルネームは、ジョージ・ハーマン・ルースだ。名前に「ハーマン」が入っていない選手では、ラッチマンが初めてということになる。

 また、四球を含め、ラッチマンの出塁は6度を数えた。MLB.comのサラ・ラングスは、1901年以降の開幕戦で1試合に出塁6度は、捕手では初、全体でも8人目とツイートしている。ラングスが記したリストによると、7人目は2006年の松井秀喜だ。

 17年前の松井は、ヤンキースの「6番・レフト」として、メジャーリーグ4年目を迎えた。そして、4打数4安打、2四球を記録した。四球、シングル・ヒット、ホームラン、シングル・ヒット、シングル・ヒット、四球だ。ラッチマンと同じく、4打点を挙げた。

 なお、ラッチマンがメジャーリーグの開幕戦に出場したのは、今シーズンが初めてだ。25歳のラッチマンは、まだメジャーリーグ2年目。2019年のドラフトで全体1位指名を受け、昨年5月にメジャーデビューした。

 昨シーズンは、113試合に出場し、打率.254と出塁率.362、13本塁打と35二塁打を記録し、ア・リーグの新人王投票では、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)に次ぐ2位にランクインした。

 ロドリゲスを擁するマリナーズと同じように、オリオールズも、ラッチマンを中心として、新時代を築こうとしている。昨年、マリナーズはワイルドカードを手にし、21年ぶりにポストシーズンへ進んだ。オリオールズは、2016年以来のポストシーズン進出こそならなかったものの、その翌年にスタートした5年連続負け越しに終止符を打った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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