幼稚園・保育園の子どもSNS写真投稿を規制へ?ノルウェー政府がガイドラインを検討
ノルウェーの幼稚園や保育園での子どもの動画撮影などを規制する方針を政府が検討している。
SNSに何をシェア・投稿していいかは人によって解釈が異なる。子どもの写真をネットに載せる問題点は、ノルウェーでは以前から議論されていた。Facebookなどに加えて、消える動画アプリSnapchatはノルウェーでは人気がある。
これまでは現場や大人の判断に任されていたが、ベント・ホイエ保健・ケアサービス大臣は共通のガイドラインの検討・作成に取り掛かっていると国営放送局NRKは15日に報道した。
日本と比較すると、ノルウェーでは個人情報の特定がより容易だ。人口520万人しかいない小国、個人情報のデジタル化、SNSの流行ということのほかに、家庭内問題などから逃げる「秘密の住所」に住んでいる子どもは意外と近くにいるものだ。
自然に触れる散歩を好むノルウェーでは、子どもたちが団体で外を歩いていることが多く、その可愛い光景は外国人観光客に写真を撮りたい気分にさせる。引率する大人には油断できない状態だ。
SNSでの写真や動画投稿には悪気がない大人もおり、どこまでがダメかは意見が対立しやすい。
このような難しい議論では、現場での意見分裂を防ぐために、政府や自治体が共通のルールを決めたほうがよいという考え方がノルウェーにはある。
ホイエ大臣は、幼稚園・保育園、病院などで真面目に報道に取り組むジャーナリストの立場や、ガイドラインが個人の「言論の自由」を侵さないように考慮するとNRKに話している。
※ノルウェーでは日本でいう「幼稚園」と「保育園」の区別はなく「バーネハーゲ」とされているが、この記事では混乱を避けるために「幼稚園・保育園」と表記
※冒頭写真はノルウェーでのバーネハーゲの許可を得て掲載
Photo&Text: Asaki Abumi