三井住友銀、初任給「30万円」に見る年功序列の終焉 #専門家のまとめ
三井住友銀行の大卒初任給(大卒、大学院修了)の一律30万円への引き上げが話題となっています。初任給の引き上げの必要性は理解していても、既存の社員の賃金と整合性を取るのが難しく、従来は二の足を踏む企業が多かった印象があります。なぜ、同行はこのタイミングで引き上げに踏み切ったのか。そして今後はどういった影響が見込まれるのでしょうか。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
ポイントは、同行が既に「2026年からの年功序列制度の見直し」を決定していることでしょう。
若手であろうがベテランであろうが、現在果たせる職務内容によって処遇されるジョブ型賃金に移行することになるため、入行年次を気にする必要は無くなります。
初任給を見直すならまさにこのタイミングだったことは明らかでしょう。
一方、同行の初任給引き上げは金融業界はもちろん、採用対象の重なっている大手メーカー等の異業種にも少なからぬ影響を与えることが予想されます。
今後、少なくない数の日本企業が思い切った初任給の引き上げに舵を切ることになるでしょう。
つまり、そうした後追い企業内においても、既存の従業員の賃金との整合性をとる必要が生じることになります。
それは結果的に、各企業が年功序列からジョブ化にシフトする動きを後押しすることになるはずです。