東京都台東区/上野・藝大美術館に自由なアートが大集合!「第8回東京都特別支援学校アートプロジェクト展
今回は上野公園に隣接する東京藝術大学の大学美術館・陳列館で開催中の「第8回東京都特別支援学校アートプロジェクト展」をご紹介。
都内の特別支援学校に通う、心身に障害のある児童・生徒の芸術的才能を発掘するためのアート展です。展示数は比較的コンパクトながら内容は多種多様で、なかにはアート好きをうならせてくれそうな作品も。
会期は1月6日(土)〜17日(水)。13日(土)と14日(日)が閉館なので、平日に上野へ行かれる方はぜひお立ち寄りください。
◆入場無料、歴史ある藝大の陳列館でゆったりアート鑑賞
今回のアートプロジェクト展の副題は「未来へ ー心ゆさぶる色・形ー」。応募数は944作あり、そのうち審査によって選ばれた52作品を展示しています。
この審査では障害の範囲や程度、学校名、学年などの背景情報はあえて伏せた状態で、作品自体を基準に見定めているとのこと。バイアスや先入観を排除したうえで優れた作品を選出しようという、真摯な姿勢がうかがえます。
会場は東京藝術大学大学美術館の陳列館1階。昭和4年(1929年)に竣工した歴史ある建物で、赤いスクラッチタイルが歴史を感じさせてくれます。
室内は白い壁に囲まれていて、静謐な気配。順路は特になく、様々な作品を自分好みのルートで、ゆったりと見学できます。
作品は絵画や版画のほか、写真のコラージュ作品、粘土や木材を使った造形物など、本当に多種多様。作品に使用する素材や画材に制限は設けていないそうです。
アロマオイルやクーピーの削り粉など、「こんなもので作品を作るのか!」と驚かされるものも少なくありません。
「どうしてこの素材を選んだんだろう?」「この作品の制作風景はどんな様子だったんだろう?」と想像力が働かされます。
◆「美術ってなんだろう?」と問いかけてくる作品たち
素材のフリーダムさに裏打ちされてか、作品のテーマや表現技法もまさに自由闊達。
日常の物事を繊細に観察した作品から、空想の世界へ高らかに手を伸ばすような作品まで、作品それぞれに個性が光っています。
これらの作者である児童・生徒が、自分の描きたいイメージ、被写体とするもの、画材や素材と深く向き合っていることを強く印象付ける作品ばかり。
いずれも「この作品を作りたい!」という、芸術活動の根源となるパッションに満ちあふれています。
同じ藝大の敷地内で、陳列館からすぐ近くの藝大アートプラザでは、藝大で優れた美術技巧を修めた方々の作品が展示販売されております。そちらと内容を見比べつつ「アートとは?美術とは?」と自分に問いかけても良さそうですね。
中には見た目が大変可愛らしい作品も。この絵をもとにしたグッズなどがあるなら、自室に置いておきたくなるかも?
「東京都特別支援学校アートプロジェクト展」の作品は、どれも独特の個性とイマジネーションが輝く力作ぞろい。「障害のある子供の作品」というものに対する先入観を覆してくれる、美術の街・上野らしい展示です。行けばあなたの心を動かす色・形の作品に出会えるかも知れませんよ。
第8回東京都特別支援学校アートプロジェクト展
【会場】
東京藝術大学 大学美術館 陳列館1階
【住所】
東京都台東区上野公園12−8
【最寄駅】
JR上野駅・公園口から徒歩10分
【会期】
令和6年1月6日(土)〜17日(水)
【開館時間】
10:00〜17:00
※6日(土)、12日(金)は20:00まで開館
【休館日】
1月13日(土)〜14日(日)
【主催】
東京都教育委員会
【共同事業者】
東京藝術大学
【リンク】
東京藝術大学大学美術館 紹介ページ
東京都教育庁 報道発表資料