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二重人格って何? 良くないことなの?

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


日本大百科全書では、「二重人格」を下記のように説明しています。
二つのまったく異なる人格が同一人物のなかに交代して現れ、長期にわたって一方の人格が持続し、他方の人格のことについてはなにも思い出せないようなヒステリー的人格をいう。解離性同一性障害ともいう。一般に、もともとの人格が良心的で勤勉であるのに反して、交代して現れる人格は享楽的で放埒(ほうらつ)な場合が多い。

でも一般では、上記の意味で、
「二重人格」という言葉を使っては、ないのではないでしょうか?
男の前では可愛らしい声で喋ったりするくせに、女の前では乱暴な口をきく女子、
上司の前ではペコペコ頭を下げているくせに、部下の前では威張り散らしている会社員、
などが、「あの子って、二重人格だよね」「あの人って二重人格だよね」と言われているのではないでしょうか。

上記は性格に言うと、二重人格ではなく、二面人格のことです。
何故なら、「二重」というような重なった層になっているわけではなく、あっちの場面ではあっちの顔を見せ、こっちの場面では、こっちの顔を見せるだけだからです。

さて、「二重人格は良くない」と聞くことが多い私ですが、
ハッキリ申し上げて、「二面だから良くない」ということは、全くありません。

女子同士の前でも男女が入り混じっていても、全く同じ態度や振る舞い、
上司に対しても部下に対しても、全く同じ口の利き方をしていたら、それこそ変です。

良くないのは、あっちではいい顔をして、こっちでは悪い顔をするか、だから良くないのです。あっちでもこっちでもいい面を見せれば、それでいいのです。

あっちでもこっちでもいい顔をして、「誰からも好かれる人は嫌い」と言うのであれば、それは、そう言う人の嫉妬心の問題であって、二面人格の持ち主が悪いわけではありません。

誰からも好かれようと、時と場所と場合に応じて、自分の人格を適切に変容させるのは、ごく自然なことです。そう、健常者とは、多面な部分を持っている多面人格の持ち主なのです。

今日の結論です。
多面人格者は、二重人格と呼ばれることが多い。
多面人格者は、決して悪くない。「良くない」と言われる人は、ある人やある所やある場合にだけ、悪い顔を見せるから良くないのである。

宜しいでしょうか?


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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