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【どう褒めたらいいの?】褒め方のポイントやコツを現役心理士が解説

えふママ*心理士臨床心理士・公認心理師

こんにちは!現役心理士ママのえふです。

今回は、前回に引き続き『褒め方のポイントやコツ』について、①褒めるタイミング ②具体的な褒め方 ③逆効果の褒め方 の3回に分けて解説させていただきます。

前回の記事では、“①褒めるタイミング”について、以下の2つをお話しさせていただきました。

  1. “してほしくない”行動の前の段階で褒める
  2. してほしい行動を褒め続ける

(具体的な内容については、前回の記事をご参照ください)

仕事柄保護者の方から「どう褒めたらいいかわかりません」と相談されることが多くあります。そこで、今回は、具体的な褒め方について紹介します。

具体的な褒め方は大きく分けて、以下の3つです。

  1. 子どもの行動を実況する
  2. 子どもと関連させる
  3. 親の気持ちを伝える

それぞれ詳しく説明していきましょう。

【褒め方①】子どもの行動を実況する

子どもの行動を見たままに実況してみてください。「それだけ?」と思うかもしれませんが、子どもは“自分のしたことが伝わった”、“自分を見てくれていた”と嬉しい気持ちになります。

実況する内容は大きく3つに分けることができます。

  1. 動きを実況する
  2. 様子を実況する
  3. 方法を実況する

どのように実況するのかについて、以下に具体例を書き出します。

動きを実況する
(例)
(すべり台で遊んでいるとき…)
「シューって滑ったね!」
(ウサギの絵を描いたとき…)
「ウサギさんがジャンプしてるんだね」

様子を実況する
(例)
(お友だちと遊んでいるとき…)
「仲良しだね」
(にぎやかな絵を描いたとき…)
「楽しそうな絵だね」

方法を実況する
(例)
(クレヨンで絵を描いたとき…)
「クレヨンで描いたんだね」

【褒め方②】子どもと関連させる

子どもの行動をさまざまなことに関連させてみてください。子どもはこれを言われると、“自分のことを分かってくれている”と、嬉しい気持ちになれます。

関連させる内容は大きく3つに分けることができます。

  1. 日常と関連させる
  2. 好きなものと関連させる
  3. 頑張っていることと関連させる

どのように関連させるのかについて、以下に具体例を書き出します。

日常と関連させる
(例)
(魚の絵を描いたとき…)
「この間みんなで水族館行ったね」
(飛行機のマネをしたとき…)
「この間飛行機見たね」

好きなものと関連させる
(例)
(おままごとで「どうぞ」と苺を持ってきたとき…)
「〇〇くん苺好きだもんね」
(アニメの歌を歌ったとき…)
「〇〇ちゃん△△(アニメの名前)好きだもんね」

頑張っていることと関連させる
(例)
(ピアノの絵を描いたとき…)
「今ピアノの練習頑張ってるもんね」

【褒め方③】親の気持ちを伝える

ママパパ自身の気持ちを伝えてみてください。子どもにとって“ママパパが喜んでくれた”というのは、とても嬉しいことです。

例えば、このような言葉です。

「ママも〇〇好きだよ」
「パパも嬉しいな」
「ありがとう」

褒めることに困ったら…?

以上、具体的な褒め方を3つ紹介しましたが、何かに気づきませんでしたか?

実は、“褒める”って意外と普通のことを言っているんです。褒めようと思うと、“人より秀でているもの”や“できるようになったこと”などを褒めようとします。ですが、前回の「褒めるタイミング」でもお話ししましたが、“当たり前(に感じる)”のことを伝えることも、褒めることなのです。

また、どのように伝えていいか分からなくなったときは、ぜひ質問をしてみてください

(おままごと中であれば…)
「オススメはなんですか?」
(絵を書いたら…)
「この絵の中で1番好きなところはどこ?」
「この絵の中で1番難しかったところはどこ?」
(子どもがよく分からない遊びをしていたら…)
「何の遊びをしているの?」

ただ、1つ注意して欲しいのが「なんで?」と尋ね過ぎること

「この色素敵だね!なんでこの色で塗ろうと思ったの?」

このように、良いなと思ったところを「なんで?」と聞くのはぜひ積極的に聞いてください。子どもも喜んで話してくれます。

ですが、心の中に“こっちの色がいいのに”という気持ちがあるときは、「なんで?」と尋ねない方が良いです。その場合の「なんでこの色で塗ろうと思ったの?」という言葉の裏には「違う色の方が良かったのでは?」というメッセージが隠れている場合が多いからです。

その裏のメッセージが伝わると「なんで?」と聞かれたときに、責められているように感じてしまいます。「なんで?」と尋ねる場合には、このことを少し意識していただければと思います。

褒め方の師匠

私自身が、“褒め方のレパートリーがすごいな”と感じるのは、朝と夕方に放送されている子ども向けの教育番組です。(歌のおにいさん・おねえさんがいらっしゃる某番組)

その番組では、毎週金曜日に子どもたちから送られてきた絵の紹介をしているのですが、色んな褒め方で絵を褒めています。“お兄さん、お姉さんはどんな風に褒めているんだろう”という目線で見てみると、褒め方の参考になるかもしれません。

以上、具体的な褒め方について解説しました。

“褒めるということは、難しいことや特別なことではない”ということが伝わったら嬉しいです。みなさんなりの言葉でお子さんをどんどん褒めてみてください(^^)

次回は【③逆効果の褒め方】について解説しますので、楽しみに待っていただけると嬉しいです。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

今回の記事が皆さんのお役に立ちますように…。

臨床心理士・公認心理師

\子育ての「困った」解決のヒントを発信/現在、1児の母として子育てをしながら働く、現役心理士です。これまで多くの未就学児~小学生のお子さんと保護者の方の支援に携わってきました(行政、医療、福祉などの領域で勤務し、年齢や診断の有無に関わらず多くの方々に関らせていただきました)。育児に困ったママパパの心が少しでも軽くなるお手伝いができればいいなと思い情報発信をしていきます。【保有資格】臨床心理士、公認心理師、学会認定の資格1種

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