【イヤイヤ!が大変…】NG対処法とOK対処法を心理士ママが解説
こんにちは。現役心理士ママのえふです。
「イヤイヤ」が大変で、どう接したらいいのか…と、悩むことも多いと思います。
そんな「イヤイヤ!」について、①イヤイヤ期とは ②イヤイヤ期のNG対処法 ③イヤイヤ期のOK対処法 の3つに分けて詳しく解説します。
①イヤイヤ期とは?
一般的に、日常のあらゆる場面で「イヤ!」などと拒否したり、「自分でしたい!」と自己主張したりする時期で、1歳半頃から3歳頃と言われています。
2歳頃がピークになることが多く、「魔の2歳児」と言われます。海外でも「terrible two(テリブル・ツー:恐怖の2歳)」という言葉があり、イヤイヤ期は世界共通のようです。
激しい自己主張があまりなく、イヤイヤ期を感じないタイプもいれば、4〜5歳頃までイヤイヤ期が続くタイプもいます。(【4歳の壁】という表現もあるようです)
このように、一言に“イヤイヤ期”と言っても、時期も自己主張の仕方もさまざまです。
どうしてイヤイヤが起こるの?
イヤイヤが起こる要因は大きく3つあります。1つめは自我の芽生え、2つめは表現の難しさ、3つめは脳の未発達です。
イヤイヤの要因①【自我の芽生え】
子どもはさまざまな経験を通して1歳頃から、自分と他人とに違いに気づき、『自我』が芽生えます。
自我が芽生えると「自分でしたい!」という気持ちを持つようになります。そして、1〜2歳にかけて自我が確立していきます。
しかし、1〜2歳の時期は、身体能力の発達がまだまだ不十分です。そのため、“したいけどできない”という状態になり、イヤイヤにつながってしまいます。
イヤイヤの要因②【表現の難しさ】
1〜2歳頃は、疲れた、眠たい、お腹が空いたなどの不快感を明確に表現することができません。そのため、次のような状態になります。
(眠い、疲れた、お腹が空いたとき…)
何か分からないけどイヤな感じがする
↓
でもなんて表現したらいいか分からない!
↓
何もかもが「イヤ!」
また、言葉での表現がまだまだ難しいため、“〇〇がしたい”という気持ちも、的確に表現することができず、「イヤ!」と怒ったり泣いたりして表現することになります。
イヤイヤの要因③【脳の未発達】
イヤイヤ期が起こる理由としては、脳の「前頭前野」の部分が十分に発達していないことが関係しているのではないかと言われています。
「前頭前野」は理性を司っており、感情や行動をコントロールする部分です。
しかし、この部分は年齢を重ねるごとに、徐々に発達していくため、イヤイヤ期が起こる1歳半〜3歳頃は、「前頭前野」がまだまだ発達しておらず、気持ちのコントロールが難しいのです。
②イヤイヤ期のNG対処法
前提として…「イヤイヤ!」は成長の過程で必要なことです。決して悪いことではありません。
この時期に、「しないといけないこと」と「したいこと」の中で葛藤をして、折り合いをつける経験をすることで、ガマンする力がつきます。
「イヤイヤ!」としている時にやってはいけないこと…それは「怒ること」です。
イヤイヤの要因でも書いたように、イヤイヤ期は、本人にとってはコントロールしたくてもできないという、どうしようもない状態なのです。
そのような状態で怒ってしまうと、以下の2パターンになる可能性があります。
①イヤイヤがもっと激しくなる
②親の前だけでお利口になって外で大変になる
注意して欲しいこと
ここまで読んで、「あー、怒っちゃってた…」と落ち込まないでください。私自身も、あまりのイヤイヤにイラっとしてしまうことは多々あります。
・10回中1回は叱らずに見守れた
・いつもより少し優しくできた気がする
こんな風に考えていただけたら嬉しいなと思います。
そして、落ち着いた後に「怒っちゃってごめんね」と声をかけてお互い穏やかでいられれば、それで大丈夫です。
私が1番オススメしているのは、安全を確保した上でイヤイヤしている子どもから離れること。私も実際にそうしています。
③イヤイヤ期のOK対処法
まず、「イヤ!」という気持ちを受け止めましょう。
【声掛けの例】
「イヤなんだね」
「〇〇がしたいんだね」
「そっかそっか」
ひっくり返って泣いても大丈夫なように環境を整えて思う存分「イヤイヤ」させてあげましょう。
外出中など、家の外でイヤイヤ!となったときには、ママパパが安心できる場所(家の中や車の中、人目につかない場所など)に移動しましょう。
「イヤ」と感情を出す
↓
親に共感してもらう
↓
見守られながらひとしきり泣く
↓
落ち着く
このプロセスを繰り返すことが、ガマンする力を身につける近道です。
「よしよし、今ガマンする力が身についているぞ」と思って見守ってあげましょう。
大切なこと
大切なことは「共感すること」、そして「受け入れること」です。子どもが「〇〇したい」「〇〇イヤ!」となったときに「いいよ」と言ってみましょう。
ポイントは「いいよ」の後に「〇〇したらね」と“条件”を伝えることです。
【具体例】
「アイス食べたい!」
→「いいよ!ご飯食べてからね」
「片付けない!」
→「いいよ!ママが10秒数える間だけ片付けてくれたらね」
最初に「いいよ!」ということで、“自分の意見を受け入れてもらえた”と思えるので、「イヤイヤ!」が落ち着く確率がアップします。
条件を伝えることで、“駄々をこねたから要求が通った”ではなく“ママ(パパ)のお願いを聞いたから要求が通った”と学ぶことができます。
少しずつ条件のレベルを上げていってガマンできる時間や程度を伸ばしていきましょう。
「共感する」と「受け入れる」の使い分け
「共感する」と「受け入れる」の使い分けについては次の2つのように考えます。
①【理不尽系イヤイヤ】は共感する。
【具体例】
「くっくー(自分で靴はきたかったー!)」
→「そっかそっか。自分ではきたかったんだね」【共感】
②【主張系イヤイヤ】は受け入れる。
【具体例】
「これ買ってー!」
→「いいよ。一緒にかごを持ってくれたらね」【受け入れる&条件】
こんなイメージで使い分けてみてください。
さいごに…
イヤイヤ!への対処法を紹介しましたが、子どもの「イヤイヤ!」が落ち着いたら、褒めてあげてください。(いくら時間がかかったとしても…)
イヤイヤ!の対応は大変ですが、いつかは終わります。
大変過ぎて、イライラが抑えられないときや、どんな対応をしてもお手上げなときは、いつでも専門家に相談してみてくださいね。
ひとりで抱え込む必要はありません。
今回の記事は、以下の本を参考にしながら書きました。興味がある方は読んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回の記事が皆さんのお役に立ちますように…。
【参考図書】
大河原美以(2016)「どうやってしつければいいの?子どもの「いや」に困ったときに読む本」大和書房