Yahoo!ニュース

関東甲信は山沿いでドカ雪、平野は1月らしからぬ大雨に警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

南岸低気圧が発達しながら通過へ

20日(土)午後9時の予想天気図(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
20日(土)午後9時の予想天気図(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図のように、きょう20日(土)からあす21日(日)にかけて、本州の南岸沿いをいわゆる南岸低気圧が発達しながら通過する見込みです。

この低気圧に向かって、北からは寒気が流れ込む一方、南からは季節外れの暖かく湿った空気が流れ込むため、雨雲が発達し、特に関東甲信地方では、山沿いで重たいドカ雪に、平野で1月らしからぬ大雨に警戒が必要です。(気象庁発表の関東甲信の気象情報

山沿いは重たいドカ雪に警戒

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

関東の北部や西部の山沿い、及び山梨や長野では、湿った重たい雪が降り、警報級の大雪となるおそれがあります。場所によってはドカ雪となるかもしれません。大雪が予想される山沿いや山地などへやむを得ず自動車を運転する場合は、冬用タイヤの装着、あるいはチェーンの携行及び早めの装着の徹底、スコップや砂等など、冬用装備の携行が必要です。(大雪に対する国土交通省発表

平野は寒気と暖気の衝突で雨雲が発達か

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

一方、関東平野部では今回、雪になる可能性はかなり小さいものの、季節を間違えたかのような大雨となるおそれがあります。上図のように、あす21日(日)昼頃にかけては、千葉や茨城を中心に活発な雨雲が通過し、雷を伴った激しい雨が降る所があるでしょう。

さらにこの雨雲は、低気圧に向かって流れ込む南からの暖気と関東平野にある冷気が衝突するために、より活発化する可能性もあり、そのような場合は警報級の大雨となるおそれもあります。真冬まっただ中ではありますが、低地の浸水や土砂災害などに十分な注意が必要です。

1月としては記録的な大雨も

予想降水量と1月の平年比(ウェザーマップ)
予想降水量と1月の平年比(ウェザーマップ)

上図左のように、関東地方で、あす21日(日)にかけて予想される降水量は、全般に50ミリ前後で、千葉や茨城、栃木などは80ミリ以上の紫色も見られます。場所によっては100ミリ以上の計算となっています。

一方、上図右は、この降水量が1月1か月分の平年値の何%に相当するかを示したもので、関東北部を中心に100%以上の赤色が広がり、栃木には150%以上を示す紫色も広がっています。つまりあす21日(日)にかけては、1月1か月分の平年値を上回るようなまとまった雨や大雨が広い範囲で降る予想となっているのです。

カラカラ一転、一気に平年の100%以上の可能性も

過去30日間の降水量(気象庁発表)
過去30日間の降水量(気象庁発表)

上図は、きのう19日(金)まで、過去30日間の降水量の平年比を表したもので、この冬は暖冬傾向であるにもかかわらず、太平洋側で降水量がかなり少なくなっているのが特徴で、特に関東地方では茶色の20%未満の地域が広がっています。

主な地点の降水量(平年比)は、東京都心3.5ミリ(7%)、横浜3.5ミリ(6%)、熊谷0.5ミリ(2%)、水戸2.5ミリ(5%)などですが、あす21日(日)にかけてのまとまった雨や大雨で、一気に平年の100%以上の地点が多くなるかもしれません。大雪や大雨のおそれはありますが、年末から続いているカラカラ天気には、いったん終止符が打たれることになりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事