【伊勢市】地元の歴史を深堀り 一之木のギャラリーつきよみで開催中の「伊勢を知るカルチャー講座」を体験
江戸時代は「お伊勢参り」で全国から大勢の人がやってきた伊勢市。外宮、内宮周辺はもとより、古市や河崎、大湊、神社などもにぎやかだったと伝え聞きます。還暦を過ぎ、地元の歴史に興味を持ち始めた筆者。一之木1丁目のギャラリーつきよみで開催中の「伊勢を知るカルチャー講座」に参加しました。
「カルチャー講座」を開くきっかけ
「同級生に郷土史に詳しい人がいて。多くの人に話を聞いてもらえたらと昨年、始めました」と話すのはオーナーの東寿賀子さん。郷土史家秋田耕司さんを皮切りに、さまざまな分野の専門家が登壇。9月22日は皇学館大教授の谷口裕信さんによる「近代における古市の旅館」でした。
谷口さんは明治期・宇治山田の「神都」化事業の影響で妓楼が旅館に、また御幸道路の開通で参宮者の移動ルートが変化したことを踏まえて解説。町宿系と旧恩師系の旅館が宿泊客を争奪したり、油屋に岩崎弥之助や福沢諭吉、乃木希典ら著名人が宿泊したり、見世物小屋などが並んでいたため、古市から内宮までの移動に半日を要したり―などを話しました。昭和3年の地図には、古市街道沿いに旅館がびっしり。今とは全く様相が異なります。「古市=妓楼」ぐらいしか知識がなかった筆者にとって、大変興味深い内容でした。
休憩時間にはお菓子とコーヒーのサービスが。ほっと一息がうれしいです。同ギャラリーで、地元の芸術家・世古富保さんが制作した「樹幹」の立体作品などを展示中。無料で鑑賞できますよ。
11月17日のカルチャー講座は「川口呉川という人」
11月17日のカルチャー講座は「川口呉川という人」と題して、南勢愛好会の飯嶌正行さんと河北勝彦さんが講師を務めます。川口呉川は、銀座新道の古着商の家で生まれ、地元の日本画家「磯部百鱗」に師事した後、京都へ。近代日本画の先駆者・竹内栖鳳の門下生になり、日展や京展などで活躍しました。同講座では、所蔵家や子孫に会った経験や作品についての話をする予定です。
ギャラリーつきよみは以前紹介したCapriccioの2階です。行楽の秋。一度、足を運んでみませんか。
- 「伊勢を知るカルチャー講座」
- 日時:毎月第3日曜午後1時30分~3時15分が基本(10月は都合により休講)
- 会場:ギャラリーつきよみ(Capriccio2階)
- 所在地:伊勢市一之木1-2-3
- 定員:30人
- 参加費:500円(資料代、お菓子・コーヒー付き)
- 申し込み:氏名、電話番号、参加人数を080-1581-3985へショートメールで受け付け
- 駐車場:なし
- 詳細はインスタグラムで配信中