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【伊勢市】千人当たりの不登校者数小学校14.5人 中学校47.9人 「教育支援センターNEST」とは

haruharu地域情報発信ライター(伊勢市、鳥羽市、度会郡)

 新学期や大型連休明けにメディアの話題に上がる機会が多い「不登校」。全国的に小学校、中学校とも不登校児童生徒の割合は年々、増加傾向だそうです。たびたびの報道を見聞するうちに、「伊勢市では何人の子どもたちが不登校?」「受け皿はあるのかしら」と疑問が生じた筆者。小俣総合支所3階に、不登校の子どもたちが通う「教育支援センターNEST」があると知り、取材に伺いました。市の現状や教育支援センターNESTの詳細と今年度の新たな取り組みを紹介します。

不登校の定義と市の現状

 文部科学省によると、「不登校児童生徒」とは 「何らかの 心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、 登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を 除いたもの」と定義。伊勢市の千人当たりの不登校者数は小学校で14.5人、中学校で47.9人(2023年度)。10年前は小学校3.5人、中学校27.3人(2013年度)。やはり伊勢市でも増加しています。

志賀幸代所長
志賀幸代所長

不登校の原因は

 教育支援センターNESTと電話相談・カウンセリングに対応する「スマイルいせ」を担当する「市教育研究所」。所長の志賀幸代さんにいろいろと話を伺いました。「不登校の原因は複雑ですが、小中学校ともに『生活リズムの不調』『学校生活に対してやる気が出ない等』が上位に。中学校は『不安等』も上位に加わります。NESTに通級する子どもたちは、エネルギーが少なくなっている子どももいるので、エネルギーがたまるように支援しています」と。「エネルギー」…。意外な回答に驚きを隠せませんでした。

 NESTに通級する子どもたちは小3~中3の17人(2024年10月現在)。開級日時は月~金曜9:00~14:00で、自分のペースに合わせて通級します。日程表は以下の通り。

9:00~10:30 ふれあいタイム

10:30~11:30 学習タイム

11:30~12:00 ふれあいタイム

12:00~12:25 昼食・休憩

12:25~12:55 読書

12:55~13:40 ふれあいタイム

13:40~14:00 清掃・連絡 

ボードゲームなど
ボードゲームなど

 「ふれあいタイム」は午前中、ボートゲームやパズル、読書、工作など個々の興味に応じて過ごし、午後はソフトバレーボールやバドミントンなどの運動をします。「学習タイム」は学校のドリルや教科書を持参したり、タブレットで勉強したりします。ほかに、市の図書館へ本を借りに行く日や、ヨガ教室、防災センター見学、カヌー体験、イチゴ狩りなども体験可。「NESTは人と実際にふれあうのも目的。学校行事とかのタイミングで学校にかかわりが持てるよう、文化祭や運動会、テスト、修学旅行などをきっかけに登校の働きかけもしています」と志賀所長。保護者とは毎月、懇談会を開き、年2回は悩みを語り合って有識者がアドバイス・助言をする「ホッとLineNEST」も開催してサポートします。

屋外には花壇とサツマイモのプランターが
屋外には花壇とサツマイモのプランターが

新たな取り組み

 志賀所長は「まだまだ万全の体制ではないですが」と前置きしつつ、「10月から、小集団に不安を感じる小中生を対象に、午後2時以降の個別活動を始めました。一人でも多くの支援につなげたいです」と新たな取り組みを紹介。また、今年度からモデル校7小学校内に別室「ねすとルーム」を設け、サポーターを配置。教室に入りにくい子どもが安心できる場所を提供して、教室復帰や登校意欲が持てるようにサポートしています。学校との距離も取りやすく、不登校の未然防止や早期対応が期待できます。「私も教員ですので、一人でも多くの子どもの個々に合った支援や学校復帰につながればと願っています」。子どもへの愛を感じる言葉が心に響きました。

 子どもが不登校になると、本人はもとより、家族も将来への不安や焦りで追い詰められ、心身に影響を及ぼすといいます。深刻化する前に、一度、相談してみませんか。

  • 「伊勢市教育支援センターNEST」
  • 所在地:伊勢市小俣町元町540 小俣総合支所3階
  • 連絡先:0596-22-7901(平日8:30~17:15)
地域情報発信ライター(伊勢市、鳥羽市、度会郡)

生まれも育ちも伊勢市。グルメ情報や個性的な店、イベント、新スポットなどの魅力を発信します。2024年9月地域クリエーターМVA受賞。担当地域は伊勢市、鳥羽市、度会郡。

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