シャープが「格安5Gスマホ」を発売
今年3月からNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクで始まった5G。しかし、契約者は伸び悩み、低空飛行が続いている。
原因は、コロナ禍によるキャリアショップの営業時間短縮やプロモーションの中止、さらに昨年10月の電気通信事業法改正によって、スマホの割引販売が大幅に規制されたことが大きい。
これまで発売された5Gスマホはほとんどが10万円以上もするため、なかなか手が届きにくいとされていた。
そんな中、シャープは「格安5Gスマホ」とも言える製品を投入する。
来春発売のAQUOS sense5Gは、これまで格安スマホ市場で販売してきたコストパフォーマンスに優れたAQUOS senseシリーズの文字通り5G版。
現行モデルであるAQUOS sense3は、NTTドコモなどでは3万円台前半、家電量販店で売られているSIMフリー版は3万5000円というのが相場であった。
今回の5G対応版となるAQUOS sense5Gは、それよりも数千円程度の値上げでおさまると見られている。つまり、5Gスマホが4万円程度で買えてしまうということになるのだ。
気になるスペックだが、日本メーカーであるシャープが手掛けるということで、おサイフケータイと防水性能に対応。
チップセットはSnapdragon690 5Gで、CPU性能は現行モデルと比べて2.4倍も向上。一方で、液晶は新世代IGZO、電池は現行モデルよりも14%増量することで、普段使いで1週間の電池寿命を実現している。5Gだからといって「すぐにバッテリーが消耗する」ということはないのだ。
注目は「テザリングオート」機能。自宅に帰ると、自動的にテザリングがオンになるという。一人暮らしであれば、固定のインターネット回線は辞めてしまい、5Gの使い放題プランに一本化。家中のWi-Fi機器の接続をスマホにまとめてしまうなんてことができてしまう。これは学生や社会人を中心に人気が出そうだ。
現在、最も安い5Gスマホは中国メーカーのファーウェイやシャオミの4万円台だが、いずれもおサイフケータイや防水などには非対応だ。
そんな中、シャープは中国メーカーの5Gスマホにも十分に対抗できる価格帯となっており、「お安く、使い勝手のいい格安5Gスマホに乗り換えたい」というニーズを満たしてくれそうだ。