沖縄は寒さの表現が豊か
【寒さの表現】
春の時期に一時的に寒さがぶり返すことを「寒の戻り」と表現しますが、沖縄では寒さを表現する言葉がいくつもあります。春の時期の別れを惜しむ寒さを、私は”ワカリビーサ(別れビーサ)”と表現しています。
【沖縄の寒さカレンダー】
沖縄方言とその意味です。
1月 ムーチービーサ(餅を食べる頃の寒さ)
旧暦の12月8日、餅を食べる習慣があり、その時期の寒さを表します。(新暦は年によって変わりますが、2018年は1月24日)
ムーチー:餅 ビーサ:寒い
3月 ムドゥイビーサ(寒の戻り)
沖縄では海開きの時期ですが、時々戻ってくる寒さに対して使います。本州でいう「寒の戻り」に相当します。
ムドゥイ:戻り ビーサ:寒い
4月 ワカリビーサ(寒さとのお別れ)
最後の寒さ。私はこれをワカリビーサといい、別れを惜しむ寒さと表現しています。
ワカリ:お別れ ビーサ:寒い
12月 トゥンジービーサ(冬至の寒さ)
沖縄では冬至の頃の寒さをトゥンジービーサと表現します。(例年12月22日頃)
トゥンジー:冬至 ビーサ:寒い
このように時期によって使い分けています。沖縄は寒さとは縁がないように思われがちですが、寒さの表現がこれだけ豊かなのは沖縄ならではと言えるのではないでしょうか。
温暖な沖縄だからこそ、寒さにとても敏感で、先人たちはたくさんの言葉を残してくれました。大事に使っていきたいものです。