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出掛ける前からジャズ気分:山下洋輔「ジャズのもう一つの夜明け」

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

1月10日(金) 開演 19:00

会場:東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル

出演:山下洋輔(プロデュース/ピアノ)、高橋信之介(ドラム)、スガダイロー(ピアノ)、挾間美帆(作曲/アレンジ/ピアノ)、寺久保エレナ(アルトサックス)、中村健吾(ベース)、池田篤(アルト・サックス)、Miya(フルート)、はたけやま裕(パーカッション)、真部 裕クァルテット[真部 裕(Vn)、沖増菜摘(Vn)、吉田篤貴(Va)、島津由美(Vc)]

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東京オペラシティ ニューイヤー・ジャズ・コンサート2014

山下洋輔プロデュース・ファイナル

「ジャズのもう一つの夜明け」

ジャズピアニスト・山下洋輔と東京オペラシティ文化財団との出会いは、2000年1月、「もうひとつの夜明け」と題し、オーケストラとの共演による自身のピアノ協奏曲第1番世界初演を中心とした演奏会でした。

2002年からは、毎年のお正月の恒例行事として、筒井康隆とのコラボレーションによるジャズオペレッタ《フリン伝習録》や《ジャズマン忠臣蔵》、クラシックの演奏家との室内楽、セシル・テイラーとのフリー・セッション、自作ピアノ協奏曲2&3番の初演、等々刺激的な企画を繰り広げてきました。

2009年からは「山下洋輔プロデュース」と銘打ち、茂木大輔、ブーニン、林英哲、アン・アキコ・マイヤース、挾間美帆と多ジャンルにわたるスターをフィーチャー、異色のコラボレーションで観客を魅了してきました。

今回で最終回となる山下洋輔とのニューイヤー・ジャズ・コンサートは、山下がセレクトした、今が旬の若手ジャズ奏者4人がそれぞれのユニットで登場、もちろん随所に山下も参加し、華々しくフィナーレを飾ります。

出典:山下洋輔プロデュース・ファイナル 「ジャズのもう一つの夜明け」|東京オペラシティ

山下洋輔プロデュース・ファイナル「ジャズのもう一つの夜明け」
山下洋輔プロデュース・ファイナル「ジャズのもう一つの夜明け」

すっかり新春の風物詩として定着してしまったので、まさか“ファイナル”というタイトルが躍るとは思ってもみなかったのが、東京オペラシティのコンサートホールで開催される山下洋輔プロデュースによるニューイヤー・ジャズ・コンサート。

その歴史を振り返れば、このコンサートホールの準備段階から芸術顧問を務めていた作曲家の武満徹の面影を追った手探りの新春コンサートだったものが、山下洋輔の登場によって方向性が定まり、以来手を替え品を替えジャズという既成概念をことごとく打ち破る企画を具現させ、21世紀の幕開けにふさわしい10余年の実績を積み重ねてきました。

“ファイナル”は残念ですが、新たなステージに進もうとしている山下洋輔の渾身の”プロデュース卒業制作”となるであろうこのイヴェント、見逃せないことは確かなのです。

プログラム

高橋信之介 "Blues 4 Us"

【高橋信之介(Ds)、山下洋輔(Pf)、池田篤(AS)、中村健吾(B)】

ニューヨークをベースに活躍中の実力派ジャズ・ドラマー高橋信之介が、自身のリーダー・アルバム「Blues 4 Us」のメンバーを率いて登場。

スガダイロー vs 山下洋輔

【スガダイロー(Pf)、山下洋輔(Pf)、Miya(Fl)】

「山下洋輔の弟子」を自称する気鋭のジャズ・ピアニスト。独自の活動を展開するフルート奏者Miyaを交え、山下洋輔との白熱のピアノ対決に乞うご期待!

挾間美帆 m_unit

【挾間美帆(Pf)、はたけやま裕(Perc)、真部裕クァルテット】

2013年のニューイヤー・コンサート「挾間美帆のジャズ作曲家宣言!」で大喝采を浴びた新進ジャズ作曲家。今回はストリング・クァルテットとの小編成ユニットで登場。

寺久保エレナ meets 山下洋輔

【寺久保エレナ(AS)、山下洋輔(Pf)、中村健吾(B)、高橋信之介(Ds)】

2010年高校3年の時にアルバム・デビューを果たし、大きな注目を集めたアルト・サックス奏者。バークリー音楽大学留学中の現在も、日米で快進撃を続ける。

♪山下洋輔 × 高橋信之介 / キアズマ

♪スガダイロー trio

♪挟間美帆/Journey to Journey

♪YES OR NO  寺久保エレナ

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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