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草なぎ剛とチームの魅力。連続ドラマ化『スペシャリスト』制作発表記者会見。

杉谷伸子映画ライター

冤罪での10年間の服役中に“犯罪者の心理を知り尽くした”スペシャリストとなった異色の刑事・宅間善人が、あらゆる犯罪データを駆使して謎を解いていく『スペシャリスト』。草なぎ剛が初の刑事役に挑み、土曜ワイド劇場特別企画として2013年5月18日に初放送され、昨年12月には第4弾がオンエアされた人気シリーズが、ついに連ドラ化。初回放送日の1月14日には人気シリーズ『科捜研の女』に宅間義人が登場するというコラボも実現。

スタートを控えた1月10日、制作発表記者会見が行われた。

絶妙のチームワーク

南果歩芦名星和田正人夏菜平岡祐太吹越満のに続いて、「わかるんですよ、俺。10年入ってましたから」のお馴染みの決め台詞とともに宅間役の草なぎ剛が、大きな歓声のなか登場して始まった会見。

「連続ドラマ、1月14日から始まるんですけど、ほんとにチームワークも整ってまして。4回スペシャルもあって。それで新しいメンバーもね、夏菜さんとね、和田っちが入ってきてくれまして、とっても新しい風を、いい風を吹かせてくれて、とってもいい撮影になってます。ほんとに楽しんでいただける作品を作れてます。みなさん、ぜひとも期待していてください」と、まずは草なぎが挨拶。舞台は京都から東京へ。宅間が自身の冤罪事件の真相も含め、自分を取り巻く大きな陰謀を暴くため、警察庁幹部滝道博喜(吹越満)に導かれ、警視庁に新設された「総合事犯対応係(仮)」へ配属され、事件に立ち向かっていく。

会見でも随所にうかがえたのが、4度のスペシャルでも京都府警で宅間と絶妙のコンビネーションを見せてきた姉小路千波(南)らお馴染みのキャストに新メンバーも加わった『スペシャリスト』のチームワークの良さ。草なぎの挨拶で「和田っち」と呼ばれた和田が、「和田っちです」と自己紹介して、会場に温かい笑いが起きたり。現場でのエピソードを尋ねられた草なぎが「いや、特にないんですけど(笑)」と答に困って、会場が笑いで包まれるなか、「台詞が多いので、みんな自分のことで精一杯なので。自然な感じで。特にないっていうことじゃないんです(笑)。あまりにも楽しい現場なので、すごい取り立てたエピソードとかそういうの話さなくても和やかな雰囲気で。かつ、大変な時はみんな集中して頑張ってる感じだよね。みんな、マイクあるからね、喋ってね」と続けると、南が「待ち時間は同じ場所に円陣を組んでみんな座っていて。それぞれ台詞が大変な人の邪魔をしないように、ね」と受ける。それに草なぎが「それでもみんな一緒にいるとね、なんか話してるよね」と笑顔で答えるいう具合。

一粒の涙を流させたい

2016年も始まったばかりということで紋付袴に着替えた草なぎが、今年の抱負を大きな紙に大きな筆で書く趣向も。ここでも出演者が墨がかからないようにビニールを手に並ぶなか、吹越が「だからと言って、わざと(墨を)飛ばさないで」と声をかけると、「それ、フリですか(笑)?」と草なぎが楽しそうに返す。

草なぎが書いたのは「涙」という文字。「このドラマにも涙が多いですし。いろんな涙あると思うんですけど、嬉し涙だったり悲しい涙だったりとか。1年通して嬉しい涙をたくさん流したいなっていう一番の気持ちと。ドラマっていうのは、見ていただく方にも感動していただいて涙を流してほしいし。僕らドラマ作る人間は、視聴者に一粒の涙を出させたいみたいな気持ちで作ってるところがあるので」(草なぎ)。

「さんずいで始まった時は、という字を書くのかと思った」という吹越の言葉に、「汗もいいですよね。汗をかきながらやるっていう。汗にすればよかったかな(笑)」と草なぎのイメージが広がったり。実は吹越の顔を見て「越」という文字も「自分を越す」という意味も持たせられるのでいいかなとも思ったと明かす草なぎと吹越のやりとりも、会場をさらに温かい笑いで包みつつ、現場の楽しい空気をうかがわせた。

新成人へもメッセージ

翌日11日が成人の日ということで新成人への応援メッセージを求められた草なぎからは、「このドラマもこんな(連続ドラマ)になると思ってなかったので。諦めずにね、長い台詞を覚えていれば連続ドラマになるんだなと(笑)。大変なことも必ず自分の身になると思うので、最初のうちはね、社会に飛び込むといろんな戸惑うこともあって、迷ってしまうこともあると思うんですけど、必ずそれはどこかで道に繋がっていると思うので、めげずに頑張ってほしいですね」という言葉が。

息子が今年成人を迎える南は、「社会人の先輩としては、どんどん自分の道を歩いて欲しいなと思うのとともに。大人になるってすごく楽しいことがたくさん待っていると。恐れずに羽ばたいて欲しいなと、みなさんのことを応援します」というメッセージ。

登壇するキャスト陣に向けられた大きな拍手と歓声が、彼らが演じる『スペシャリスト』の登場人物たちへの愛も感じさせたのは、シリーズ作品ならでは。新メンバーを加え、舞台を東京に移しての連ドラ化。「見どころは謎解きと人間ドラマ」(草なぎ)という人気シリーズを、このチームワークでますます楽しませてくれそうな予感に溢れていた。(表示できない漢字は、かな表記しております)

『スペシャリスト』は1月14日スタート。テレビ朝日系毎週木曜夜9時。

映画ライター

映画レビューやコラム、インタビューを中心に、『anan』『SCREEN』はじめ、女性誌・情報誌に執筆。インタビュー対象は、ふなっしーからマーティン・スコセッシまで多岐にわたる。日本映画ペンクラブ会員。

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