【綾町】紫陽花は丸い花だけじゃない ~ 円盤形から絶滅危惧種まで 綾にはいろんな紫陽花がいっぱい
梅雨の時期は紫陽花の時期。この花を見ていると、雨の日も悪くはないと思う人も多いはず。私もその一人で、紫陽花を求めて出かけてきました。記事後半は宮崎県固有のヒュウガアジサイについて書いています。
・てまり咲きとガク咲き
まずは定番の紫陽花ということで、自然休養村公園に行ってきました。敷地内に多目的競技場がある広い公園で、遊歩道脇には紫陽花がぽつりぽつりと咲いています。紫陽花の名所のような、辺り一面ピンクや藍色に染まるという派手さこそ無いですが、この場所で観る紫陽花が大好きです。遊歩道の片側は草木が覆い茂り、その中に咲く紫陽花。反対側を見ると青空が見える開放的な空間。この対比が絶妙に良いのです。
遊歩道の左側には
綺麗に紫陽花が咲いています。
一方右側は
広がる緑と芝生がきれいです。
数が少なめの分、一つ一つを集中して観てしまいます。紫陽花いえばボールのような花ですが、こういう咲き方を「てまり咲き」というそうです。
一方、「ガク咲き」と呼ばれる額縁のように咲く種もあります。装飾花が小さな花を囲んで、円盤のような形をしています。本来の紫陽花はこの咲き方らしく、丸い紫陽花は品種改良されたものということです。どうしても派手な「てまり咲き」のあじさいに目が行ってしまいますが、よく見ると「ガク咲き」はかわいらしい感じです。素通するのはもったいない。
自然休養村公園多目的広場
宮崎県綾町大字北俣3739番地
・希少価値のヒュウガアジサイが綾町に
ところで綾には宮崎県固有のヒュウガアジサイが咲いているという話を聞きました。もちろん見てみたいものです。咲いている場所の一つは自分がよく知っている場所でした。最近まで「紫陽花=まん丸」という先入観を持っていたため、今まで気づきませんでした。早速行ってみることに。あえて正確な場所は伏せておきます。車で山道をしばらく進むと……
見つけました。水が流れ落ちる岩場に点々とヒュウガアジサイが咲いています。満開なのかは分かりません(2024/6/8時点)。ヒュウガアジサイは水の流れる斜面を好むようです。垂れ下がった淡いピンクの花が健気です。
咲き方はガク咲きで、花弁も少なく不揃いなので、これが紫陽花と気づいてない人は多いでしょう。
・発見されて間もない花
ヒュウガアジサイは2016年に発見されたばかりの紫陽花。発見が遅れたのは既存種と似ていたためでしょうか。もともと自生地が限られていることに加え、開発などによる森林破壊により、個体数が年々減っているそうです。そのため、この紫陽花は絶滅危惧種2類に指定されています。1種と2種の違いは環境省によると:
1類: 近い将来における絶滅危険度の高い種
2類: 1類ほどではないものの絶滅の危険が増大している種
ということです。1種にならないようにしたいですね。
・いつまでもヒュウガアジサイが見られる町に
自然豊かで、水のきれいな綾町だから見つけられるヒュウガアジサイ。みなさんの周りにも咲いているかもしれません。この貴重な花が梅雨の時期に咲いているという事は、まだ自然が守られているということ。大切に扱いたいものです。花はそのままにしておく、ゴミを出さないなど、私達人間の心も綺麗で優しくありたいものです。
薄暗い日が続く梅雨の時期。美しい花に心を癒されながら、同時にこの花が毎年咲き続ける町にしたいなと思いつつ、その場を後にしました。今が見ごろの貴重なヒュウガアジサイを探してみませんか?6月いっぱいまで楽しめます。