親殺しの心理学1:なぜ子どもが親を殺すのか:横浜戸塚高1男子母と祖母殺害事件から
親殺しは、先進国の中流以上の家庭で起きる犯罪です。
■横浜市戸塚区で、15歳の男子高校生が祖母と母を殺害
■容疑者少年と家族
報道によれば、普通の家庭の普通の少年のようです。むしろ、柔道部の主将をつとめ、明るく元気な少年のようです。家庭でも、目だった問題はなかったようです。ただ、短気な部分もあったようです。
母親に、ゲームを取り上げられたりはしていたようで、「生活態度を注意されて腹立たしくなった」と供述しています。
まだ、詳しい情報は入っていません。
■「良い子」が親を殺す
思春期青年期の子どもにとって、親はうるさい存在です。親子は衝突し、子どもは悪態をついたり、机をけっとばしたり、家を飛び出して何時間か帰ってこないこともあるでしょう。ある子どもは、不登校になったり、非行に走る子どももいるでしょう。
おきなトラブルは困りますが、小さなトラブル、いざこざは起きるものです。そうやって、親近の問題は解決されていきます。ところが、この小さなトラブルを起こせない「良い子」が、大きなトラブルを起こしてしまうことがあります。親殺しは、しばしば「良い子」が起こしてしまいます。
親の存在が、大きな岩のように、その子の上にのしかかります。小さなトラブルを期用に起こすこともできません。そんな思いの中で、親から自由になるためには親を殺すしかないと思い込むことがあります。
■先進国の中流以上の家庭での親殺し
貧しく生活が大変な状況では、親を殺したら、自分が生活できません。また、「悪い子」たちは親を利用しようと思います。親のすねをかじろうと思います。殺してしまっては、利用できません。だから、親殺しは、先進国の中流以上の家庭で、「良い子」が起こすことになります。
■なぜ祖母まで殺したのか
親殺しの事件では、優しかったはずの祖父母まで殺されることがあります。加害少年にとっては、祖父母も親と同じ大人の仲間です。あちら側の人間です。自由になるためには、親も祖父母も殺さなければいけないと思い込むことがあります。
■親子の葛藤
子どもは、時に親をうるさく思い、憎みます。また時に、親を愛し、甘えます。子どもから見れば、親には良い親の面と悪い親の面とがあります。そのために、憎しみながらも愛を求める複雑な心理や行動が生まれます。
ところが、「悪い親」の面だけが強く感じられてしまうことがあります。そうなると、親への暴力や殺意が生まれてしまいます。
■父親の不在(単身赴任)
今回の事件では、父親は単身赴任で留守でした。今回の事件での夫婦関係、父子関係に関しては、まだほとんど報道されていません。一般的に、父と母は考えや行動が異なり、結果的にバランスが取れます。
母が甘やかしたり、細かいことを言い過ぎると、父がブレーキをかけます。父が厳しすぎたりすれば、母がフォローします。二人で、怖い役、優しい役をを分担することもあるでしょう。
片親状態の家庭が決して悪いわけではありません。ただ、バランスをとることが難しくなることは考えらるでしょう。
■事件はなぜ起きたのか
不十分な情報からは、一般的なお話ししかできません。まだ報道されていない大きなことがあるのかもしれません。興味本位の扱いはいけませんが、事件発生しました。大きな報道がされています。事件の解明(取調べ裁判)と共に、遺族や同級生など関係者を守らなければなりません。そして私たちは、事件から学ばなければならないと思います。
■関連ページ
新しい情報にもとづき、ページをアップ。
親殺しの心理2:少年は先に祖母を殺していた:横浜戸塚高1母祖母殺害事件
2014年の事件。少女はしつけを超えた虐待に苦しんでいました。