「ネガティブ思考」のメリットとデメリット
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、「ネガティブ思考は性格なのか?」というお話をしていきたいと思います。
ネガティブ思考は、ものごとを悪い方向へ考えることを言います。
ちなみに、誰もがうつ状態になると、ネガティブ思考が強くなります。
逆に、躁状態になると、ポジティブ思考が強くなります。
思考が100%ネガティブでも病気だし、思考が100%ポジティブでも病気です。
健康な人は、ネガティブとポジティブ、両法ともバランス良く持ち合わせております。
そういうものです。
さて、ここからが非常に重要なのですが、
世の中には、ネガティブ思考が強い人とポジティブ思考が強い人がいますが、実は、それは、どちらも生まれつきです。生まれつきポジティブな性格な人と、生まれつきネガティブな性格な人がいるということです。
ネガティブな人は、嬉しいことがあると一時的にポジティブになりますが、時間が立てば、元のネガティブに戻ります。
ポジティブな人は、苦しいことがあると一時的にネガティブになりますが、時間が立てば、元のネガティブに戻ります。
ネガティブもポジティブも、生まれつき性格なものですから、どちらがいいとか悪いとか、どちらが幸福とか不幸とかなく、また、治すものでも治るものでもありません。
大切なのは、「自分はどちら側の人で、そんな自分の性格をどう生かすか?」ということです。
ポジティブな人がネガティブな人を目指すことはあまりありませんが、
ネガティブな人がポジティブな人を目指すことはよくあります。
多くは、自己啓発系などのコーチの踊らされて…というパターンです。
ネガティブな人は、自己啓発系のセミナーなどに行くと、一時的に気分が高揚し、ポジティブな人間になりますが、長続きすることはありません。頑張って、無理に長続きさせようとすると、自分の良さが消され、人間関係もギクシャクするようになり、さらに心身にも不調が表れます。
だから、ネガティブな人は、無理してポジティブな人になろうとしてはいけません。ネガティブな人は、ネガティブである自分を大切に、ネガティブである自分を活かしながら生き続けていくことが大切です。
繰り返しになりますが、過ぎたるネガティブは、過ぎたるポジティブと同じ、それは病気ですから、避けなければなりません。あくまでも、ほどよくネガティブであることが大切ということです。
良くある例えとして、コップに半分ジュースが入っているのを見て、「半部しかない」と思うのがネガティブ、「半分もある」と思うのがポジティブ、と言われるですが、どう考えるかによって、単純に幸不幸が決まることはありません。
世の中には、「ポジティブであることのほうがいい」ということを声高に叫ぶ人がいますが、そうであるとは限りません。
ちょっと例をあげます。
ネガティブな人は、マイナス感情が発達しています。外を出た瞬間に、もうじき雨が降ることに気付き、「あっ、午後から雨が降るかもしれない。傘を持たなくっちゃ」と思います。ポジティブな人は、プラス感情が発達しています。良いニュースには気付きやすいですが、自分にとって都合の悪いニュースには、なかなか気付くことが出来ません。よって、今にも泣き出しそうな空模様であっても「あっ、午後から雨が降るかもしれない」とは思わないのです。
だから、ネガティブな人は、雨に濡れずに済んでも、ポジティブな人は、雨に濡れてしまうのです。雨に濡れる濡れないぐらいはどうってことないのですが、一事が万事、ポジティブな人は、時に大きな失敗をし、自分や他人を大きく損なったりします。
そういう意味では、ネガティブな人は、危機管理能力が高く、ポジティブな人は危機管理能力が低いと言えます。
またまたここで繰り返しになりますが、私は、ネガティブな人のほうがポジティブな人より、優れていると言いたいのでありません。私が言いたいのは、ポジティブな人のほうがネガティブな人より優れているとは言えない、ということなのです。おわかりいただけたでしょうか?
今日の結論。
ネガティブ思考は性格です。生まれつきの性格です。
そしてその性格は、病気になると極端になります。ということです。
そしてネガティブ思考自体は、悪いことでも不幸なことでもなく、治すものでも治るものでもない…ということです。
明日も、この話の続きをします。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。