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30試合連続安打の「打率」。史上8人目の近本光司は30試合で打率.370

宇根夏樹ベースボール・ライター
30試合以上の連続安打は、33試合の高橋慶彦を筆頭に8人(写真:イメージマート)

 5月28日から7月6日まで、近本光司(阪神タイガース)は、30試合にわたってヒットを打ち続けた。この間の打率は.370(127打数47安打)だ。ストリークが始まる前の51試合は、打率.260(204打数53安打)だった。

 近本の打率.370も高いが、その前に30試合連続安打を達成した7人中6人の打率は、さらに高かった。そのうちの4人は、ストリーク中の打率が.400を超え、2015年の秋山翔吾(当時・埼玉西武ライオンズ/現・広島東洋カープ)は、6月3日~7月12日の31試合に打率.457(129打数59安打)を記録した。

筆者作成
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 1946年の野口二郎は、31試合の打率が.366(131打数48安打)なので、8人のなかでは最も低い。だが、野口の場合、31試合中13試合に登板している。先発としてもリリーフとしても投げた。

 また、1971年の長池徳二は、32試合のスパンに打率.424(125打数53安打)を記録しただけでなく、16本のホームランを打った。

 長池のシーズン40本塁打以上は4度を数え、1969年(41本)、1972年(41本)、1973年(43本)は本塁打王を獲得し、1971年(40本)も、本塁打王の大杉勝男と1本差の2位タイに位置した。

 ホームラン・バッターが、連続試合安打の新記録を打ち立てたというわけだ。1979年に高橋慶彦が更新するまで、長池の32試合連続安打は史上最長だった。現在でも、パ・リーグでは最も長い。

 ちなみに、他の7人がストリーク中に打ったホームランは、1976年の張本勲が5本、1977年の福本豊と2011年のマット・マートンが4本、2015年の秋山が3本、1979年の高橋が2本、1946年の野口と今シーズンの近本は0本。それらを合計しても、長池より2本多いだけだ。

 なお、30試合以上の連続安打を達成した選手の、シーズン安打と打率については、こちらで書いた。

「「30試合連続安打」の選手は、そのシーズンに何本のヒットを打ったのか。近本光司は史上8人目」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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