VR関連特許ポートフォリオでソニーが世界トップの評価
米国の特許調査・知財コンサルティング会社のLexInnova社は定期的に無料レポートを発行しています。IoT等のデジタルテクノロジー関係の特許分析レポートが多いので参考になっています。
昨年には、Virtual Realityに関する特許レポートが出ています(WIPOのサイトにも同じレポートが掲載されています)。
そんなに長いレポートではないのですが、興味深いポイントをいくつかご紹介します。
最も積極的に特許出願している企業の上位3社はソニー、マイクロソフト、サムスンです。国別ですと米国、韓国、中国です(たぶん日本は4位です、ちょっと悲しいですね)。
そして、LexInnova社独自のアルゴリズムによる特許評価を加味した各社の評価が下図のようになっています。縦軸が特許の質、横軸が特許(および特許出願)の数ということになりますが、やはり、ソニーが最も高評価です。他にも、IBMが件数は少ないものの、質は高いこと、NPEのIntellectual Venturesが結構出願(あるいは他社からの特許買取)を行なっているところが気になるところです。また、カテゴリークリエイターでもあるOculus VR(Facebook)がまったく出てきていないのも気になります(出願件数が少なくて対象外なのだと思いますが)。
ソニーは、今年の10月にはPS4向けのVR HMDであるPlayStation VRを発売予定です(参照ニュース)。これが魅力的な製品であり、かつ、強力な特許により他社の追従を防げれば(この両方の条件が成立しているのが重要)、ソニー復活の起爆剤になる可能性もあるでしょう。
なお、上記レポートは大局的な分析を目的としているので、個別の特許についてはほとんど書いてありません。機会があれば個別の特許についての分析記事を書いてみるかもしれません。