アジカン後藤「海外じゃ政治の話できないとバカと思われる」-SEALDsとトーク
人気バンド、「アジカン」ことASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル、後藤正文さんが27日晩、渋谷区のライブハウス「原宿クロコダイル」でのトーク&ライブ「Knockin'on the Next Door vol.3」に参加。安保法制に反対する学生団体「SEALDs」の橋本紅子さんや、弁護士の武井由紀子さん、島キクジロウさんらと、政治への興味関心を持つことや自由にものが言えることの大切さなどについて語った。
〇政治のことを話すのは当たり前のこと
安倍政権批判などで、その言動がしばしば賛否を呼んできた後藤さんだが、「『安倍首相の会見、酷くね』とか政治のことを話すことは、『あのお笑い、面白いね』というくらい普通のこと」と言う。「日本の音楽業界だと、あまり政治的な発言する人とかいないけど、海外なんか行くと、ミュージシャン達が皆、(米大統領選で民主党の候補者指名を争う上院議員の)サンダースとか、(英国の労働党・党首の)コービンとかの話とかしているし。彼らは学歴も高く頭がすごくいい。むしろ、政治とかの話が全くできないとバカだと思われるんじゃないか、というくらい。ライブでフランス行った時も、記者から原発のこと聞かれたし」(後藤さん)。
〇「羊のように大人しいだけじゃダメ」「批判気にしすぎないように」
日本の人々が政治的な発言を控える背景には、単に無関心であるでなく、最近は「炎上」と呼ばれるSNSなどでのバッシングや批判の集中砲火を招くこともあるのかもしれない。後藤さんも「僕もよく炎上してるしね」と言う。「SEALDs」メンバーで、音大出身の橋本紅子さんも、安保法制反対のデモ等でメディアで注目されてから、執拗な嫌がらせをネット右翼などから受けてきたが、「ただ羊のようにおとなしいだけじゃダメ」「いろいろ悩んだけども、自分らしくあることが大事だと思った」と自作の曲と共に、その思いを語った。
後藤さんも、モデルの平子理沙さんのブログに悪質なコメントが大量に書き込まれていた件に触れ、「あれ、同じ人が毎回名前を変え、大勢から批判されている様に見せかけてたわけじゃないですか。意外と批判している人って少ないのかもしれないし、気にしすぎない方がいいかも」と、批判に神経質になりすぎないことが大事だと呼びかけた。
〇選挙は大事!
トークには、野党統一候補を当選させようという勝手連「ミナセン(みんなで選挙)」事務局の武井由紀子弁護士も参加。「政治に興味関心がないわけじゃないけど、選挙とか政治家とかは嫌い、という人々は結構多いし、私もそうだった。でも、安保法制も数の力で押されてしまったところもあるし、『政治は数』として選挙運動にもっと市民が積極的にかかわることが大事だと思う」と語った。また、このトークイベントを主催したロック弁護士・島キクジロウさんも、脱原発やパレスチナ問題をテーマにした曲を熱唱した。次回の「Knockin'on the Next Door」は同会場で6月28日夕に行われ、トークゲストには精神科医の香山リカさんが参加予定だという。
(了)
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