黒いB-1B爆撃機を「死の白鳥」と何年経っても呼び続けるメディアの病理
アメリカ軍のB-1B爆撃機を「死の白鳥」と呼ぶ誤解が広まって5年以上も経ちました。初出は7年前です。そして未だに多くのメディアでは碌に訂正されないままこの奇怪なネーミングが使われ続けています。
・・・B-1Bの塗装色は黒色なんですけれど? 一体どこが白鳥なのだろう・・・
韓国のナムWiki(木のWiki)ではB-1B爆撃機を「死の白鳥」と呼ぶ発端となった誤解の経緯が詳しく調べられて掲載されています。
どこか一つの有名メディアがそう報じたら全て右に倣え。それは海を越えて日本にまで伝播してしまいました。韓国メディアも日本メディアも同じ間違いを繰り返し続けて、数年経っても未だに間違った呼称「死の白鳥」が使われ続けています。
過去記事:黒く塗装されたB-1B爆撃機を「死の白鳥」と呼ぶメディアのチェック機能の無さ(2017年11月15日)
B-1B爆撃機を「死の白鳥」と呼ぶ間違った呼称が韓国で広まって6年、日本で広まって5年が経ちましたが、NHKなどでも未だに訂正しておりません。
韓国では幾つかのメディアで疑問の声は指摘されてはいるのですが、しかし未だに使い続けるメディアも多く、それを見た日本メディアも倣ってしまっています。
北朝鮮が最近ミサイル発射を大量に繰り返し威嚇してきたことに対し、アメリカ軍は対抗として米韓合同演習「ヴィジラント・ストーム」を1日延長し、当初の予定に無かったB-1B爆撃機をグアムのアンダーセン基地から韓国へ向かわせました。そして日韓の報道は相変わらず「死の白鳥」という間違った呼称を連呼してしまったのです。
黒いカラスを白いと言い続けるのと全く同じ行為が何年にも渡って続けられる異常事態は、ちょっと理解することができません。B-1B爆撃機の写真を見ずに記事を書いているのでしょうか? 校正で気付きそうなものですが・・・
もしも非公式のニックネームが一般の兵士の間で広まって名付けられたなら、多少おかしなネーミングでも受け入れられたことでしょう。しかし発端が勘違いの誤用で、そして大手メディアがこぞって連呼したせいで定着するのは、受け入れ難い思いがあります。
黒い飛行機を白いと言い続ければ真実になる。嘘を100万回言えば真実になる、メディアにそんなことをさせるのを許してしまったら、幾らでも捏造報道が蔓延し放題となってしまいます。今回の件は爆撃機の呼ばれ方という広まってもあまり害の無いものでしたが、他の案件で似たようなことが起きたらと思うと、危険な動きのように思えてなりません。