日本代表ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが報道陣に「ゴメンナサイ」のわけ。【ラグビー旬な一問一答】
ラグビーの日本代表候補合宿が10月15日からの3日間、都内であり(初日は集合のみ)、16日、就任から1年が経ったジェイミー・ジョセフヘッドコーチが共同取材に応じた。
9月中旬から定期的にナショナルデベロップメントスコッド(NDS)という候補キャンプをおこなってきたチームは、19日に秋のツアーメンバーを決め、JAPAN XVとして10月に28日の世界選抜戦(福岡のレベルファイブスタジアム)へ、以後は日本代表として4日にオーストラリア代表戦(神奈川の日産スタジアム)、19日にトンガ代表戦(フランスのスタッド・アーネスト・ワロン)、26日にフランス代表戦(フランスのUアリーナ)へ挑む。
国内トップリーグが10月22日まで実施されるなか、準備期間の補填としてシーズン中の短期合宿を敢行。練習内容のマイナーチェンジもしつつ、本番に向け組織の基盤を作っているようだ。
以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。
――この日のミーティング、トレーニングを振り返ってください。
「昨日、試合だった選手も多く、身体も痛んでいます。この合宿の意図は組織的な落とし込み。今度の合流時にすぐに(本格的な練習に)入っていくためです。アタックに若干の変更を加えました。新しいディフェンスコーチが就任したので、ここでも新たな落とし込みが必要。今回、いまのうちにできることを落とし込んで、スムーズに入っていきたいです」
――今回の候補メンバーから選手を選ぶのか。
「基本的にはそう考えています。ただ、他に怪我をしている選手もいるのでその経過を見ながら…です」
――午前は予定されていた練習が中止になりました。
「昨日の集合時、試合で怪我をしている選手が多かった。リカバリーセッションに充てました。プールセッションとミーティングにしました。(集まった後に中止を知らされた報道陣に)ゴメンナサイ」
――スタンドオフの山沢拓也選手の選出について。
「小野晃征が怪我をして、11月にしっかりとしたパフォーマンスをする自信がないということで、スタンドオフが必要になりました」
――期待していますか。
「代表チームなのでそうです。まだ若いですが、ポテンシャルが高い。今日もいい練習をしていましたが、スタンドオフとして仕切れるのかどうかを見ています。メディアの方は山沢を大好きなのはわかりますし、私も好きですが、若手の1人として見ています」
――攻撃に変化を加えた背景。
「体格差があるなか、工夫をしてゲインラインを勝ち取っていけるように」
――フッカー、ナンバーエイトに負担がかかる。
「フッカー、ナンバーエイトにはいい選手が揃っているので、できると思います」
――今度のツアーの目的は。
「勝つことです。この1年を経て色々と学べた。パフォーマンスや成長に何が影響するかを見ていたが、その影響を及ぼすものが、我々のコントロールできないものでありました。なかなか選手を拘束することはできない。それを考慮したうえで、自分とトニー・ブラウンがサンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーへ挑む日本チーム。来年2月に再始動)のコーチングに携わり、より選手と密に接し、成長を図れると思っています」
――オーストラリア代表について。
「直前までラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国による対抗戦)をやっていて準備万端だと思います。だからと言って、こちらの勝ちたい気持ちは変わらない。しっかりとしたマインドを持っていく」
9月上旬から実施を示唆していた今回の持久力テストは、中止もしくは持ち越しとなった見込み。繊細なスケジューリングが続く。