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藤井聡太叡王、自身初めてタイトル戦で千日手成立! 17時6分、叡王戦五番勝負第2局・指し直し局始まる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 5月15日。愛知県名古屋市・名古屋東急ホテルにおいて、第7期叡王戦五番勝負第2局▲出口若武六段(27歳)-△藤井聡太叡王(19歳)戦がおこなわれています。棋譜は公式ページをご覧ください。

 出口六段先手で9時に始まった対局は16時36分、74手で千日手(引き分け)が成立しました。持ち時間4時間のうち、残り時間は出口45分、藤井40分です。

 棋戦によって細かい規定は異なりますが、将棋界のタイトル戦では原則的に、千日手は即日指し直しとなります。

 30分後の17時6分、指し直し局が始まりました。持ち時間は藤井1時間、出口1時間5分。先後を入れ替えて、今度は藤井叡王先手。戦型はまたもや相掛かりとなりました。

よもやの千日手成立

 千日手局は出口六段先手で戦型は相掛かり。

 中盤、藤井叡王が出口陣右側を攻め、観戦者の目にはリードしているようにも見えました。

 しかし藤井叡王は自信が持てなかったのでしょう。出口六段が飛車で藤井叡王の馬を追い、藤井叡王が馬を逃げる手順がぱたぱたと繰り返され、同一局面が4回現れ、規定により千日手が成立しました。

 解説陣にとっても、多くの観戦者にとっても、予期する間もない、あっという間の千日手成立でした。

 藤井叡王は公式戦320局目にして8回目の千日手です。

 タイトル戦では31局目にして、初の千日手となります。

 叡王戦での千日手といえば、七番勝負だった2020年、永瀬拓矢と豊島将之挑戦者(立場は当時)による歴史的死闘が思い出されるところです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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