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フィギュアに続いてカーリングも。新型コロナウイルスの影響を受け、カナダ開催の世界選手権も中止に

竹田聡一郎スポーツライター
2月に軽井沢で行われた日本選手権では4年ぶりに優勝を果たした(著者撮影)

 WCF(世界カーリング連盟)は、現地時間12日、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州プリンスジョージで14日から開幕予定だった世界選手権を中止とした。

 WHO(世界保健機関)による「パンデミックにあたる」という宣言が出されたことや、同国ケベック州モントリオールで開催予定(18日ー)だったフィギュアスケートの世界選手権の中止、さらにブリティッシュ・コロンビア州の州保担当医ボニー・ヘンリー氏の勧告などを受けての決定だ。2022年北京五輪の出場国を競う大会でもあったので、WCFは今後のレギュレーション変更について対応を余儀なくされる。

 3月1日に出国しアルバータ州カルガリーで事前合宿を張っていた日本代表のロコ・ソラーレも既に現地入りし、小野寺亮二コーチや今回フィフスとして帯同する荻原詠理(SC軽井沢クラブJr.)とも合流直前の決定だっただけに、選手たちの落胆は大きいだろう。

 それでもサードの吉田知那美は自身のSNSで「今シーズン応援してくださったみなさんにインスタライブでメッセージを送りたいと思っています」と投稿するなど、ファンへの感謝と配慮を投稿した。

 今後、ロコ・ソラーレはツアー最高峰タイトルのひとつ、プレイヤーズチャンピオンシップに出場予定だ。

 ただ、4月7日にトロントで開幕予定のこの大会も開催されるかどうか極めて微妙な状況だ。

 トロントのあるオンタリオ州は12日、4800校以上の学校で来週から始まる春休みを4月5日まで延長する決定をくだしたばかり。中止や無観客での開催の可能性を含め、影響は免れないだろう。

 開催なら帰国せずにカナダの拠点であるカルガリー経由でトロントへ向かうのが賢明だろうが、いずれにしても開催可否が判明するまでは、情報を集めながらカナダで宙ぶらりの状態になるかもしれない。

 ロコ・ソラーレが日本選手権を制し、4年ぶりの世界選手権出場が決まった直後、スキップの藤澤五月はカナダでカーリングできることの喜びを語った。

「グランドスラムだったりボンスピル(ローカルツアー)に来る観客のみなさん、本当にカーリングが分かっていて、大歓声でカーリングを観てくれる。(世界選手権も)やってても楽しい、盛り上がる大会になると思います。大好きなカナダで世界選手権ができるのは本当に楽しみです」

 今季、その思いが届かなかったのは残念だが、この苦い経験、逆境を活かす特性も彼女らの強みのひとつだ。まずは安全かつ適切な判断をくだし、無事に今季を終えて欲しい。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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