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カーリングミックスダブルスの日本選手権が稚内で開幕。ミラノ行きのチャンスを獲得するはどのペア?

竹田聡一郎スポーツライター
左から小野寺佳歩、前田拓海、上野美優、山口剛史 (撮影:竹田聡一郎)

 北海道稚内市のみどりスポーツパークで第18回全農日本ミックスダブルスカーリング選手権大会が開催中だ。

 3日から始まった1次予選に先立ち、大会前日には公式練習と前回大会優勝ペアのSC軽井沢クラブ(上野美優・山口剛史)、準優勝ペアの小野寺・前田(小野寺佳歩/フォルティウス・前田拓海/ロコ・ドラーゴ)による会見が行われ、それぞれ抱負を語った。

「前回の日本ミックスダブルス選手権が3月にあって、あっという間に12月が来た。まずは自分のできることにきちんと集中してその先にやっと結果がついてくると思う」(上野)

「今大会は2026年のミラノ(・コルティナダンぺッツォ)オリンピックの代表権がかかっていますので、しっかり結果を出したい。同時に選手として一歩ずつこの大会中に成長できるように頑張りたい」(山口)

「ミラノ(・コルティナダンぺッツォ)オリンピックのラストチャンスになるのでしっかり優勝したいですし、挑戦者の気持ちも忘れずにガンガン攻めたい」(小野寺)

「(前回準優勝で)非常に悔しい気持ちで終わったので、出るからには優勝を目指して頑張っていきたい。(初出場の前回で)予選が非常に大事だと分かったので予選から気を引き締めてやっていきたい」(前田)

 山口や小野寺といったオリンピアンの言葉通り、今大会は2026年のミラノ・コルティナダンぺッツォ五輪の国内選考を兼ねている。

 五輪代表候補ペアは、今大会の優勝ペア、昨大会の優勝ペアであるSC軽井沢クラブ、そしてJCA(日本カーリング協会)の定めた「ミラノ・コルティナ冬季オリンピック日本代表候補チーム選考方法」によると「第18回日本ミックスダブルスカーリング選手権大会直前(決勝戦開催日の3日前時点)のWCF(※)チームランキング最上位、かつ第17回または第18回日本ミックスダブルスカーリング選手権大会のいずれかにおいて3位以内」のペア、以上の最大3チームによる、来年9月に開催予定の代表候補決定戦によって決められる。

(※世界カーリング連盟、現在の「World Curling」) 

 上記の世界ランキング上位ペアについては、国内最上位(世界ランキング3位)で昨大会3位の小穴・青木(小穴桃里・青木豪)が条件を満たしている。つまり、SC軽井沢クラブと小穴・青木は代表決定戦の出場権を既得しているが、それ以外のペア、例えば現在、世界ランキング7位で2023年世界選手権準優勝の松村・谷田(松村千秋/中部電力・谷田康真/北海道クボタ)をはじめとした今大会に出場する16ペアは優勝しなければイタリアへの道は途切れてしまう。

 大会初日、その松村・谷田はJCA強化委員会の推薦によるペア、札幌国際大学MS(三浦由唯菜・佐々木彩斗)に10-2で快勝し、谷田は「チームとしても個人としてもいいパフォーマンスが初戦から出せた」と語った。

 また、第一試合から代表決定戦出場が決まっているチーム同士、ディフェンディングチャンピオンのSC軽井沢クラブと世界ランキング最上位の小穴・青木が対戦し、小穴・青木が9-3で勝利。他には昨年準優勝の小野寺・前田、強化推薦ペアの北澤・臼井(北澤育恵/中部電力・臼井槙吾/KiT CURLING CLUB)、過去最多の4度の優勝経験を誇るチーム苫米地(苫米地美智子・苫米地賢司)らが白星でスタートした。

 競技は5日までに6チームを3グループに分けた1次予選を消化し、各グループの上位2チームが2次予選に進出。6日と7日の2日間で2次予選を戦い、上位3チームが最終日8日の決勝トーナメントに挑む。

 日本カーリング史上初のミックスダブルスのチームとして五輪のアイスを踏むのはどのペアだろうか。JCAのYouTubeチャンネルでライブ配信がされている。

松村・谷田の谷田康真。元高校球児でもあり、熱烈な日本ハムファンとしても知られている。今季の田宮裕涼の成長を心から喜んでいるとか。 (撮影:竹田聡一郎)
松村・谷田の谷田康真。元高校球児でもあり、熱烈な日本ハムファンとしても知られている。今季の田宮裕涼の成長を心から喜んでいるとか。 (撮影:竹田聡一郎)

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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