五輪に繋がるミックスダブルスは1次予選から波乱含み、17歳と18歳の高校生ペアが2次予選でも大暴れ
北海道稚内市のみどりスポーツパークで行われている第18回全農日本ミックスダブルス選手権は5日までに1次予選、6日に2次予選の半分を消化した。
1次予選グループAをディフェンディングチャンピオンのSC軽井沢クラブ(上野美優・山口剛史)を破るなどと5連勝で突破した小穴・青木(小穴桃里・青木豪)は、2次予選でも柏木・似里(柏木由美子・似里浩志)、松村・谷田(松村千秋・谷田康真)から2連勝。磐石の試合運びを見せ、連勝を7に伸ばした。「締まった試合をいい形で戦えている」と小穴。世界ランキング最上位の実力を存分に見せつけた。
台風の目となっているのは1次予選グループBで番狂わせを起こした高校生コンビの、田中・佐藤(田中萌珈・佐藤航英)だ。
前回準優勝ペアの小野寺・前田(小野寺佳歩・前田拓海)に投げ勝って2次予選に進むと、ここでは前回優勝のSC軽井沢クラブとの撃ち合いを制した。柏木・似里からも白星を挙げるなど、好調を持続している。
田中萌珈は2007年生まれ、札幌市出身の17歳で札幌旭丘高校2年生。佐藤航英は2006年生まれ、青森市出身の18歳で青森東高校3年生。今年1月の江原道冬季ユースオリンピック(韓国)の日本選手団として共に戦ったことをきっかけにペアを組んだ経緯がある。
佐藤の目標とする選手はスウェーデンのニクラス・エディン。「ドローにおいてもテイクにおいてもすべて完璧で、世界トップにいる憧れの選手です」
田中が目標とするのは北海道銀行のチーム全員だ。
「リラーズ(北海道銀行カーリングチームの愛称)さんは私がカーリング始めた頃からずっと一生懸命に練習されていて、いつもすごい笑顔でプレイされているので『私もああいう感じで楽しそうにカーリングをやりたいな』って思っています」
そんな今大会最年少ペアを、小野寺・前田の小野寺は「いい意味でジュニアっぽくない」と評した。ジュニア世代ではまずリスクを減らす意味でも相手の石を弾き出す作戦を執ることが多いが、「ずっと緊張していた」(田中)と言いながらもキャリアのある年上ペアに臆さずに全試合でドローを多用し、混み合ったハウスで戦い抜いた。ドローとテイクのバランスを保ちながら最終日に残ることができるか注目だ。
その若手ペアに撃ち勝って1次リーグを全勝突破したのが、北澤・臼井(北澤育恵・臼井槙吾)だ。1次予選最終戦の小野寺・前田との試合を決めた最終投について質問された北澤だが、「特に何も考えてなかった」と言い放って報道陣をざわつかせたのち「臼井選手はウェイトジャッジがうまいから、それなりのウェイトで投げたらあとは(スイープで)運んでくれる。『よろしくぅ』という感じで(気楽に)投げました」と臼井に対する全幅の信頼を語った。
2次予選でも松村・谷田、SC軽井沢クラブから2連勝。小穴・青木と並んで負けなしでスタンディングの一番上に立っている。
1次予選Cブロックを首位通過したのは、昨年、日本カーリング史上初のミックスダブルス世界選手権で銀メダルを獲得した松村・谷田だった。
例えば予選2試合目のSHARE(原瑞希・新野和志)戦では好ショットを重ねられて序盤で3点を献上し、1次予選では唯一リードを許す展開となったが「基本的に相手のショットは決まるものだと思っています」と松村はサラリ。「自分の一投に集中するだけ」と一意専心、一投入魂を貫いた。しかし、2次予選に入ってから紙一重の差で勝利から遠ざかってしまい連敗。崖っぷちに立たされている。
7日は2次予選残りの6試合が行われるが、2次予選は1次予選で直接対決したチームとの再戦は行われず、その結果も持ち越されるため、以下の順位となっている。
小穴・青木(3勝)
北澤・臼井(3勝)
田中・佐藤(2勝1敗)
松村・谷田(1勝2敗)
SC軽井沢クラブ(3敗)
柏木・似里(3敗)
残り2試合を戦い、通算成績が1位のペアは決勝へ。2位と3位のチームが準決勝に進出する。