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日本の南の熱帯低気圧はさらに発達傾向、台風となる可能性もあり要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧と秋雨前線の雲(ウェザーマップ)

台風(12号)が発生する予想に

*21日10時30分追記

熱帯低気圧情報(ウェザーマップ)
熱帯低気圧情報(ウェザーマップ)

熱帯低気圧や台風情報(気象庁発表)

きょう21日(月)午前10時過ぎ、気象庁から日本の南海上の熱帯低気圧は、今後24時間以内に台風へ発達する見込みとの情報が発表されました。他にすぐにでも発達しそうな熱帯擾乱はありませんので、もし発生すれば台風12号となります。

予報円をみると、台風となったあとは22日(火)から23日(水)にかけて西日本の南海上を北上し、24日(木)午前9時には紀伊半島の南端付近で温帯低気圧に変わる予想です。

ただこの時点での予報円は関東から九州まで広がっており、勢力予想と合わせて、まだ進路予想や北上するタイミングにはかなりブレがある状態です。

もし温帯低気圧で接近するとしても、秋雨前線と相まって、広く大雨や強風をもたらすおそれがあるため、最新の情報にご注意下さい。

北上しながら台風となる可能性も

予想天気図(気象庁発表資料に筆者加工あり)
予想天気図(気象庁発表資料に筆者加工あり)

最新の見解では、日本の南海上にある熱帯低気圧の影響が大きくなる方向で、予想がやや固まりつつあります。

タイトル画像にある雲の様子をみると、熱帯低気圧に伴う雲域は円形度を増しながらさらに発達傾向を示しており、雲解析によると、雲頂高度16キロ以上に及ぶ活発な積乱雲が集中している様子です。

きょう21日(月)午前3時の実況天気図では、中心気圧が1004hPaで、きのう20日(日)午前3時の1008hPaより幾分低くなっており、中心気圧からもゆるやかに発達中であることが分かります。

現在は北東方向へゆっくりと進んでいますが、今後は北寄りに北上し、あす22日(火)午後9時には西日本の南海上に達する見込みで、この時点での中心気圧は1002hPa、中心付近の最大風速は約15メートルの予想となっています。

もし30℃前後もある暖かな海面上でこの予想以上に発達し、最大風速が約17.2メートル以上になれば、台風の基準を満たすことになり、それを示唆する計算も徐々に増えてきているため、気象庁も台風への発達に留意するよう呼び掛けています。

今後の熱帯低気圧の動向はまだ不確実性が大きくなっており、西日本の南海上からそのまま23日(水)から24日(木)頃にかけて、西日本周辺を北上するパターンや、東寄りに進み、関東や伊豆諸島などを指向するパターン、あるいは日本の南で停滞するパターンなどが計算されていますが、きのうまでのように衰弱して消滅してしまうような計算は少なくなり、むしろ勢力を強めながら、本州付近に影響するパターンが増えてきています。

もし仮に台風への発達が見込まれた場合は、先日より台風へ発達する熱帯低気圧情報として、今後の進路予想が発表されるようになっていますので、気象庁のホームページ上で、随時、情報を確認して頂きたいと思います。

熱帯低気圧と秋雨前線による大雨に警戒

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

今後の雨と風の予想をみると、熱帯低気圧の北上に伴い、その北側に位置する秋雨前線も活発となりながら本州付近に北上する見込みで、あす22日(火)の夜には紀伊半島などで雨脚が強まり、その後24日(木)にかけて、西日本や東日本で広く雨量が増える心配があります。

特に紀伊半島や四国など、東風や南東風の吹き付ける場所では、今後72時間で300ミリ以上に達する計算もあり、その後もさらに増えると見込まれます。

なお、上図に示した24日(木)午前6時の熱帯低気圧の位置や勢力はまだ不確実性が大きく、今後も予想が変わる可能性があります。あくまでも現時点におけるコンピュータの計算による予想の一つであるととらえて下さい。

また最悪を考えると、熱帯低気圧が台風となり、秋雨前線と共に北上し、強風(暴風)を伴った荒天や大雨となる地域が出る可能性もありますので、最新情報にくれぐれもご注意下さい。

追記:21日午前10時30分、気象庁からの最新情報に合わせ進路図などを追加しました。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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