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強い寒の戻りで、東北や北陸などは雪予想に「桜にとってはまさに戸惑いの雪」

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
桜に雪(写真:アフロ)

真冬並みの強い寒気が南下

上空1500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)

今週は先週までの季節外れの陽気からこの時期らしい気温に戻っていますが、今後はさらに強い寒気が南下するため、週末にかけて強い寒の戻りとなり、桜前線が北上中の東北地方では桜に雪という所も多くなるかもしれません。

上図は上空1500メートル付近の気温の予想を示したものですが、先週までは平年より高いことをあらわす赤一色で季節外れの高温が続いていました。

ところが今週に入り、上空の気温は下降し、各地でほぼ平年並みとなっています。

あす4月7日(水)にかけてもほぼ平年並みの状態が続きますが、その後はシベリア方面から南下してくる強い寒気が日本列島にも氾濫するため、8日(木)から9日(金)にかけては、全国的に平年よりも低いことをあらわす青一色に様変わりする予想です。

ここで高層観測を行っている秋田と輪島の9日(金)午前9時の予想値をみてみると、秋田は-9.6度で、平年(-0.7度)より8.9度低く、2月中旬並み。輪島に至っては-8.2度で、平年(1.9度)より10.1度も低く、1月下旬並み(真冬並み)となる予想です。

一般に上空1500メートル付近の気温が-6度以下で雨が雪に変わりはじめ、-9度以下なら積もる雪になることが多いため、北日本や北陸地方では山沿いを中心に積雪となる所もあるでしょう。

さらに北日本や北陸以外でも、関東など広い範囲で、一気に低温側にふれることになるため、遅霜に伴う農作物の管理や体調管理などにも十分な注意が必要となりそうです。

東北は桜に雪のところも

9日(金)の予報(ウェザーマップ)
9日(金)の予報(ウェザーマップ)

寒気が最も強まる9日(金)は、東北や北陸地方で、山沿いを中心に雪が降る予想となっています。

現在桜前線は平年よりもかなり駆け足の状態で(2週間ほど早く)、東北地方を北上しており、3月31日(水)には仙台で満開に、またきのう4月5日(月)は山形でも満開の発表がありました。さらにおととい4月4日(日)は秋田で開花の発表がありました。

今回は東北地方を北上している桜前線上に強い寒気が襲来し、寒の戻りとなるため、多くの所で桜に雪という状況が発生すると思われます。

これまで経験したことがないような高温により、急かされて咲き進んだ桜にとっては、まさに戸惑いの雪となりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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