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近藤誠也七段、タイトル初挑戦に近づくか? 羽生善治九段、望みをつなぐか? 10月31日、王将戦リーグ

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 10月31日。東京・将棋会館においてALSOK杯第74期王将戦・挑戦者決定リーグ▲近藤誠也七段(2勝1敗)-△羽生善治九段(1勝2敗)戦がおこなわれます。


 藤井聡太王将(22歳)への挑戦権を争うリーグは中盤の勝負どころを迎えています。


充実の近藤七段


 二十代の棋士の中でも、屈指の実力者の近藤七段(28歳)。今年度は並み居る強敵を相手に白星を重ね続け、公式戦成績は16勝4敗(勝率0.800)。いままさに、充実のときにあります。

 近藤七段は、王将戦リーグ参加は4年連続、通算5回目。今期は佐々木勇気八段に勝ち、広瀬章人九段に負け、西田拓也五段に勝ち、ここまで2勝1敗です。

 近藤七段は棋王戦ではベスト4に残っています。

 まだタイトル挑戦経験のない近藤七段。このあたりで大舞台に登場しても、まったくおかしくはありません。

レジェンド羽生九段

 羽生九段は王将位通算12期で永世王将の資格を保持する、現将棋界のレジェンドです。

 羽生九段は今期リーグ、西田五段、菅井竜也八段に敗れたあと、広瀬九段に勝って1勝2敗です。上位の1敗勢が崩れてくれば、2敗勢にも挑戦のチャンスはめぐってきます。


 羽生九段の今年度成績は11勝13敗(勝率0.458)です。


 ここ最近は黒星が続いていた羽生九段。先日は王将戦リーグで広瀬九段に勝ち。さらに本局前日には叡王戦・段位別予選九段戦でも広瀬九段に勝っています。


対戦成績は拮抗

 羽生九段と近藤七段は過去に13回対戦し、羽生8勝、近藤5勝という成績が残されています。直近では近藤七段が3連勝中です。


 2週間前の10月17日におこなわれたB級1組7回戦では近藤七段が勝っています。

 順位戦では現在、近藤七段はA級昇級を争う位置にいます。

 近藤七段は居飛車党。対して羽生九段はなんでも指しこなせるオールラウンダーですが、基本的には居飛車が多い。羽生九段が変化をしない限りは、相居飛車の戦いが予想されます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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