大谷は投・打・走の全てでメジャートップレベルの実力の持ち主だとデータ解析で明らかに
大リーグの公式サイトなど複数のメディアが、データ解析の「スタットキャスト」が弾き出したデータから、大谷が投、打、走の3部門全てでメジャーリーグ・トップレベルの実力の持ち主だと論じている。
「スタットキャスト」とは軍事技術の追尾レーダーの技術を利用したもので、グラウンド上の選手やボールの位置や方向や速度などを計測し、それらのデータを記録・分析・数値化する。2015年にはメジャーの全30球場に導入された。
それでは、まずはメジャーリーグの日本語公式ツイッターの映像を見てみたい。
メジャー初先発のアスレチックス戦で投じた最速99.6マイル(159.4キロ)の投球と、本拠地デビュー戦となったインディアンズ戦で中前打を放った時の112.8マイル(180.5キロ)の打球速度の映像がチェックできる。
まず、99.6マイルの速球だが、4月5日(日本時間6日)の時点で今季は大谷を含めて7人の投手しか99.6マイル以上を計測していない。
今季最速となる101.6マイル(162.6キロ)を記録したジョーダン・ヒックス(カージナルス)やメジャーの速球王として知られるアルロディス・チャップマン(ヤンキース)などリリーフ投手ばかりで、先発投手は大谷とルイス・セベリーノ(ヤンキース)の2人だけ。
メジャー初登板では6回を投げて、99マイル(158.4キロ)以上を計測したのは12回あったが、2017年シーズンを振り返ってみても1試合に99マイル以上を12回以上計測した投手は6人しかいなかったと大リーグ公式サイトは報じている。これは開幕したばかりの今季ではなく、昨シーズン1年間をフルに通した数字である。昨季に6人しか到達できなかった記録を、大谷はメジャー初先発、しかも6回しか投げずにクリアしてしまった。
昨季はメジャーで投じられた投球の中で0.51%のみが99マイル以上を計測したが、大谷はメジャー平均の25倍以上に値する13.03%(92球中12球)の投球が99マイル以上だった。
次に112.8マイルの打球速度を見てみたい。
四捨五入した113マイル以上の打球速度で見てみると、昨シーズン全体だと113マイル以上の打球は全体の0.24%と非常に少ない。
MLB公式サイトの記者で、スタットキャストの専門家でもあるデビッド・アドラー氏のツイートによると、大谷が記録した112.8マイルの打球速度は、昨年8月30日の試合でマイク・トラウトが記録した113.6マイル(181.8キロ)以来、球団最速の打球速度だったと言う。
最後に見るのが走塁。スタットキャストの計測によると、4日の試合で大谷が二塁ゴロに倒れた際にベースから一塁へ走ったときに秒速29.9フィート(9.1メートル)を記録。
2017年の最速はバイロン・バクストン(ツインズ)の秒速30.1フィートで、大谷の秒速29.9フィートはブラッドリー・ジマー(インディアンズ)と並びメジャー全体で3位タイに値する。
まだ開幕から1週間しか経っていないが、大谷はすでに投・打・走の3部門全てでメジャーでもトップクラスの実力の持ち主だと証明してみせた。