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食は最大の自己投資。「プチぜいたく」よりも「まともな食生活」を送りたい

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:「プチぜいたく」上質志向(朝日新聞)

自宅で「一人飯」をするときは、納豆ご飯と味噌汁があれば満足してしまう。5分ぐらいで食事を終えて、仕事やテレビ鑑賞の続きに早く戻りたい。買ってくる納豆は4パック98円の激安品だ。

一方で、妻をはじめとする人との「会食」は常に快楽である。食べるペースを落として、素材や調理法についてあれこれ言い合いながら、料理と会話を楽しみたい。そのときの食材は近所の良心的な食品スーパーで安すぎないものを選んでいる。

昨日、医療関係者と会っていたら、「人間の体の6~7割は日々の食事で作られています。添加物や化学調味料ばかりの食事をしていたら、薬漬けの体になってしまいますよ」と指摘された。同席していた食品スーパー経営者はうなずきながら、借金してまで店舗を拡大して激しい安売り合戦をしている小売業界の体質が遠因だと明かした。

「とにかく原価を下げるために、メーカーや農家に安くておいしそうに見えるだけの商品を要求しています。添加物や化学調味料は必須です。農薬使用だけでなく遺伝子組み換えの農作物も当たり前になりつつあります。消費者もそれに慣れてしまい、口に入れた食べ物が腐っているか否かすらも自分で判断できないようになっています。うちも商売ですから、ニーズのある安い商品を棚に並べざるを得ませんけど、本当はおすすめできませんよ」

僕たち消費者にも問題はあると思う。同じような見た目の商品が並んでいると、最安値に近い物を吟味せずに買ってしまう癖がついている。特に味わうことなく5分で食べてしまうので、「なんとなく納豆の味がする納豆」であれば構わない。味覚というか体自体が鈍化しているのだ。

ただし、良質の商品を何度も口に入れていると、その商品に関する味覚だけは向上していく。例えば我が家では、創健社という会社の「有精卵マヨネーズ」を使っている。余計な酸味や雑味がなく、卵のおいしさを濃厚に感じるマヨネーズだ。300gで350円ほどするので大手2社のものより100円ほど割高だけれど、買えない価格ではない。ニワトリを非効率な平飼いで飼育しているという農家の生活のためにも、100gで100円以上のお金は取ってくれないと安全性や継続性が不安になる。

今朝の朝日新聞では、「プチぜいたく」の一例として10個400円の卵が紹介されていた。通常の卵と比べると倍ぐらいするが、1個40円と考えると真っ当な気がする。食べてみて良いと感じたら、毎日の卵をそれに切り替えてもいいと思う。

激安でも贅沢でもなく、ちゃんとした品質と価格の食品を買い続けること。食費は多少増えるだろうが、体調が良くなるので長期的に見れば医療費が下がり、家での食事が楽しくなるので遊興費も節約できる。

食は最大の自己投資だと思う。「プチぜいたく」などとケチなことは言わずに、まともな食事で自分と家族の体を守り育てたい。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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