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エチオピア航空墜落で47社中33社が運航停止。日本 - 韓国間も飛行のボーイング737MAX8

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
Boeing 737 Max機のイメージ(写真:ロイター/アフロ)

昨年10月29日のライオンエア(インドネシア)、そして3月10日のエチオピア航空と、5ヵ月以内に起こった2度の墜落事故。(いずれも乗客乗員含む189名、157名全員死亡)

墜落原因の解明が急がれるが、2つの事故の共通点がアメリカの最新鋭小型旅客機、ボーイング737マックス8型機ということで、機体の安全性が疑問視されている。

現在のところアメリカ連邦航空局(FAA)とボーイング社は飛行の安全性に問題はないとしている。ボーイング社は事故翌日の3月11日、ライオンエア機の墜落事故以降に改良されたソフトウェアのアップデートをすぐに行うと発表。

ボーイング社による発表(英語)

ボーイング737マックス8型機、世界のどこを飛んでいる?

3月12日付の『ニューヨークタイムズ』紙で、ボーイング737マックス8型機の世界中の航路や、所有する航空会社、所有する機体数、現在の状況(運航継続か運航一時中止か)が、わかりやすいインフォグラフィックで紹介されている。

参照記事:

『Which Airlines Fly the Boeing 737 Max 8』(ボーイング737マックス8型機を運航する航空会社)

運航数は少ないが日本にも飛んでいる(いた?)ことがわかる。出典:New York Times
運航数は少ないが日本にも飛んでいる(いた?)ことがわかる。出典:New York Times

これは、一つの事例として2月24日から3月2日までの1週間をトラッキングしたものだ。ボーイング737マックス8型機はその1週間で約8,600機が世界中を飛んでおり、もっとも本数の多い航路は北米と中国だった。

参照記事の世界地図を見る限り、マックス8型機は日本-韓国間、日本-東南アジア間の航路も飛んでいるのがわかる(事故後の状況は不明)。

また、記事中ほどのインフォグラフィックでは、マックス8型機を所有する航空会社、所有機数、そして現在の運航状況(継続運航か、運航中止か)を一覧でわかりやすく紹介している。

マックス8型機の登録数は世界中で340機。本国アメリカで同型機を所有しているのは、サウスウェスト航空とアメリカン航空の2社のみだが、他社に比べて保有機体数が多い(それぞれ34機と24機。いずれも運航継続中)。

またこれを見る限り、マックス8型機を使っている日本の航空会社はない

マックス8型機を所有する航空会社...47社のうち

運航継続...11社

当面の運航停止...33社*

一部、運航停止...1社 

事故前から運航停止...1社(財政理由により)

不明...1社

出典:New York Times

マックス8型機を導入していた航空会社の4分の3が、同型機の運航停止を決定したことがわかる。

さらに記事によると、737クラスは世界中の航空会社の主力航空機で、シングルアイル*の737マックスはベストセラーの機体だったようだ。受注は増加中という(事故後の状況は不明)。

  • 中国は、中国民用航空局(CAAC)が3月11日の時点で、同国の航空会社に対しマックス8型機の一時的な飛行禁止を命じた。インドネシア航空当局も同型機の一時的な飛行禁止を発表している。
  • シングルアイル:1本通路、横6列席の小型ジェット旅客機のこと。

2つの墜落事故は関連している?

10月のライオンエアの墜落事故の原因も、まだ調査中で明らかになっていない。これら2つの飛行機墜落事故にボーイング737マックス8型機が直接的な関連性があると言い切ってしまうのは時期尚早だが、これだけ多くの航空会社が同型機の運航を見合わせていることから、関連がゼロとも言えないのではないか。今後も事故原因を見守っていきたい。

Updated: 6:47pm, March 12th (EST)

その後ニューヨークタイムズの記事は更新され、地図も差し替えられた。水色が運航継続中、オレンジが運航停止中。アメリカを除くほとんどの地域で、運航が見合わせられていることがわかる。(日本への運航も停止中)

出典:New York Times
出典:New York Times

(Text by Kasumi Abe)  無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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