FAのままのサイ・ヤング賞投手は、この捕手と組むと防御率1.29だが、それ以外は防御率3.60
昨年、ブレイク・スネルは、両リーグ・ベストの防御率2.25を記録し、サイ・ヤング賞を受賞した。防御率のタイトルもサイ・ヤング賞も、タンパベイ・レイズ時代の2018年に続く2度目だ。6年前の防御率1.89は、ジェイコブ・デグローム(当時ニューヨーク・メッツ/現テキサス・レンジャーズ)の防御率1.70に次ぐ両リーグ2位ながら、ア・リーグでは最も低かった。
今オフ、スネルは、サンディエゴ・パドレスからFAになった。12月に誕生日を迎えたが、年齢は31歳だ。けれども、2024年の球団は、まだ決まっていない。
売れ残っていると表現するのは、少し語弊があるかもしれない。USAトゥデイのボブ・ナイテンゲールらによると、ニューヨーク・ヤンキースは6年1億5000万ドルの契約を申し出たが、スネルは9年2億7000万ドル以上の契約を求めているという。
ただ、希望どおりの契約を手にすることができるかどうかは、わからない。というより、難しい気がする。
スネルは、2018年と2023年に180.2イニングと180.0イニングを記録しているが、あとの6シーズンはいずれも130イニング未満だ。短縮シーズンの2020年も、50.0イニングなので、規定投球回には達していない。
また、2018年以降、奪三振率は6シーズン続けて11.00以上だが、キャリアを通し、与四球率3.15未満はなく、直近の3シーズンは4.83→3.59→4.95と推移している。塁上を賑わせても、ホームを踏ませることは多くないものの、与四球も奪三振も多く、球数を費やすため、どのシーズンも1登板平均6イニング未満にとどまっている。
さらにもう一つ、こちらは偶然かもしれないが、昨年、スネルは、ゲリー・サンチェスとバッテリーを組んだ105.0イニングで防御率1.29を記録した。一方、他の3人と組んだ計70.0イニングは防御率3.60だった。
こちらもFAになったサンチェスは、今年、ミルウォーキー・ブルワーズでプレーする。サンチェスの契約については、こちらで書いた。
◆「前年はマイナーリーグ契約の捕手が700万ドルの契約を得る。19本塁打は復活の証なのか」
サンチェスに続き、ブルワーズがスネルも迎え入れる可能性は、ほぼ皆無だろう。今オフ、ブルワーズは、FAまであと1シーズンのエース、コービン・バーンズをボルティモア・オリオールズへ放出している。バーンズは、スネルよりも2歳若い。
バーンズのトレードについては、こちらで書いた。